奔車紀行

つれづれ技術屋の趣味など いわば支所

陣馬山へラッセル

2月は東京マラソンに備えて平地ランを主にしたいし、買ったチェーンアイゼンは試しておきたいし、、、と言うことで、1月に雪の山に登ろうかとは考えていた。と言っても(当然)、高尾山とか丹沢の近郊の山。で、雪が積もったとのことで、多少急遽だけど陣馬山へ向かうことにした。

ただし結構な雪で、朝のテレビでの立川-高尾駅間の電車遅れのテロップが気にはなったりした。できれば陣馬高原下からの陣馬山が良いな~と思ったし、藤野からだと電車やバスの不通も気がかりになってきた。陣馬高原下行きのバスが不通なら小仏経由も可能だし、最悪は高尾山口駅から高尾山でも良いか~との思いで、高尾駅を目指して自宅を出発。寒かったりで出発が遅くなって多少ラッシュへの遭遇も心配だったけど、7時半過ぎには高尾駅に到着した。

八王子駅での乗り換えも高尾駅での陣馬高原下行きバスへの連絡も、乗り換え情報では2分間。八王子駅では急いでトイレを利用したり、高尾駅前では列んでた先頭の登山姿の人に「高原下行きのバスは、もう出ました?」と尋ねた。後者は先月に小仏行きのバスを見送ってしまった苦い経験があり、反射的に確認してしまった。

 

f:id:honda-jimusyo:20120124073539j:plain陣馬高原下行きもそうだったけど、小仏行きなどの乗り場の方も、結構な列。乗ってて分かったけど、勤めや小学校/中学校の通学で利用する人が多いようだ。長いと思いながらも座れてラッキーだったけど、途中で小学校/中学校の生徒が乗ったりして降りるのに一苦労する人もいたくらい。ただし、陣馬高原下バス停直前でほとんど降りて、終点までは列びの先頭だった登山姿の人(女性)と自分の二人のみ。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075553j:plainバスを降りてトイレ済ましたりしたら、「こんな日に登るの?」と話しかける人が。工事関係で待ち合わせなり、工事するか確認してるようだった。一言二言話して、「前のバスでは何人降りました?」と訊いたら、ゼロと。その時は、平日だしな~くらいの気持ちだった。 登山姿の女性とも少し話したり、携帯でこれから登る旨をTwitterに告げて、スタート。

ちなみに格好は、冬用のズボンの下はアンダータイツ。自宅でCW-Xとアンダータイツを着比べたけど、タイツの方が暖かく感じたのでそちらへ。上はスポーツTシャツ+長袖+軽量ダウン+防寒上着。軽めの冬登山と言ったレベルか。他は手袋とか耳当て。耳当ては、時々耳にかかるのを半分くらいにしたり外したり。

チェーンアイゼンやテルモス(中身は自宅で作成のホットココア)、小型三脚などをリュックに。一応帰りにスーパー銭湯に行けるように着替えやタオルもリュックに。リュックは10Lほどで、+ポシェットの格好はトレラン時とほとんど同じ。ストックも無し(と言うかそもそも持ってない)。 また靴は、トレラン用のローカット。(バスの中でやけに足が冷えると思って、座ってたので靴を脱いだ。靴下が湿ってた訳でもないし登山の最中はさほどでもなかったので、靴や靴下の防寒が関係するのかもしれない。平地の方が冷えるから不思議なもんだ。その辺りは、知り合いなどに会った時にでも訊いてみるつもり。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075604j:plain陣馬山への新ハイキングコースとの分岐あたりやそこからのまわりの様子。 それまでも人の足跡(トレース)を気にはしたけど、見当たらなかった。また、新ハイキングコースに入って、足跡?と思ったら、鹿か何か動物の足跡だった。誰も通った跡のない雪道を進む。つまり”ラッセル”。ちょっと感激。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075519j:plain最初から中盤までは、雪はくるぶしが覆われるくらいがほとんど。雪が乾いているせいか足が重いとの感じはなかった。時々、枝から雪が落ちてきて、それが首の後に入って嫌な思いをする程度。 また、体温も上昇して、途中で軽量ダウンを脱いでリュックへ。(結局ダウンは、高尾山口に到着するまで山では着ることなし。)

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075527j:plain道標雪払いの、beforeとafter。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075541j:plain中盤以降は、雪が脛あたりまで来る所も出てきた。和田峠との合流ポイント前の吹きだまりでは、膝まで来ることも。(陣馬山頂上に進むにつれて、登山道の上でも膝までの雪になってきた。)

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075458j:plain和田峠からとの合流ポイントの回りの様子や、そこから頂上までの樹氷やツララ。 遠くに雲はあるものの頂上方向は青空で、富士山の絶景も期待した。また、合流ポイント以降もトレースがなくて、ひょっとしたら陣馬山頂上も人は皆無かもといった期待も出てきた。

済んだ青空と太陽で気分良くなった反面、サングラスを持参しておらず少し不安になってきた。頂上などで長居するつもりなら、サングラス持参が良さそう。と言っても今回は高尾山への途中で曇ったりしたし、陣馬山-高尾山は木々も多いので、普通なら不要かな。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075509j:plain頂上直前。残念ながら富士山は見えず。 写真では分かりにくいけど、緑色+雪の白に見える山々が少なくなくて、昔の立体高低図(ケバ図の立体視?)を見ているようで新鮮だった。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075440j:plain陣馬山頂上のモニュメント”白馬”が見えても、人の足跡がない。焦る気持ちを抑えながら、風向きのせいで深くなった雪をかき分けるようにして進んだ。 誰もいないし、足跡もなし。一番のり~~。気分は最高潮。いやー、良かったーー。

 

f:id:honda-jimusyo:20200922075443j:plain白馬を少し近くから。大きめ版で。

 

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075450j:plain石碑の方の様子や、一瞬富士山の頭の方が見えたので撮影。

 

f:id:honda-jimusyo:20200922075418j:plain頂上で、テルモスに入れたココアと固形食。椅子は上げてあるしテーブルにも雪が相当積もっていたので、立ったままでの休憩となった。 小型三脚を持ってきたので撮影も行った。普段はほとんど山へは持ってこないけど、今日は虫の知らせ。

ただ、雪がこうも積もっていると、土台作りが必要。デジカメも小型だったので、2,3回手で押し固めた程度の急場しのぎでそれなりに撮影できた。良い記念の写真になった。 頂上に近づく際にも聞こえたけど、休憩している時もヘリコプターの音。自衛隊だった。休憩している時は北からの2機。ヘリから見えたら映画『岳』でのシーン(CMシーン)のようにも思え一瞬手を振ろうかとも思ったけど、救助要請と勘違いされると大変とも思ってヘリを眺めるだけにした。まっ、さすがに、ヘリからはそんな風には見えないだろうけど。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075425j:plain休憩後は、高尾山方向へ。高尾山方向に進んでみても当然足跡なし。そちらもラッセルだな~と、良い気分。結局は、明王峠のしばらく先までラッセルだった。ちなみに明王峠にカップルいたけど、相模湖駅からだったようだ。 なお、高原下からの合流ポイントを過ぎた頃に、高原下からの道に人影。犬が先導する格好に思えた。ちょっと声を掛けようかとも思ったけど、少し距離もあったのでそのまま高尾山方向へ進んだ。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075432j:plain獣の足跡。多分ウサギとシカ。ただし、どちらも高尾山-陣馬山で、実物を見かけたことはない。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075348j:plain陣馬山からの階段部分には雪がいっぱいで、先月よりもかえって歩きやすい。もみじ台での階段や一部を除き、高尾山までの階段部分は雪に覆われてた。 尾根のためと思われる木と雪との造形が、結構面白かった。風上の方に雪が付いてないし、木を少し避けるように雪が積もってる。右の写真は前方が高尾方向で、雪の時の風は右から吹いてきてるんだと思う。

尾根と木々のせいか、雪の深さはあまり変わらず脛まで来ることが多かった。小仏城山とかからは、くるぶしが覆われる程度になったが、重く感じた。足の甲とシューズ側のタンとかベロと呼ぶ部分との間に、雪が固まっていたため。雪質も原因だが、このあたりがトレランシューズでの欠点かな~と感じた。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075403j:plain左は明王峠の様子。明王峠でトイレを利用。 明王峠の前後で、結構冷えてきた。雲が増えて日を遮ったり、時々ほんの少しガスが発生したのが、大きな理由かと思う。 積雪の量は、あまり変化なくて深いまま。所々、登山道を覆うように、雪で木が倒れ込んでる箇所もあった。

明王からしばらくして、高尾山方向からの人達を見かけた。つまりラッセル終了。気分的には、ちょっと残念。

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f:id:honda-jimusyo:20200922075410j:plainただし、その人達はまき道利用がほとんどだったので、メインルートを通るとラッセルに。写真は、それによる自分のトレース。 なお、おかしいと思えるトレースもあり、高尾からの他の人もずれた道を通っててこちらもずれてしまったケースがあった。ズレは数メートルだったけど、雪山での怖い一面。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075328j:plain景信山からの眺めや小屋の様子。

f:id:honda-jimusyo:20200922075331j:plain景信山から先の少し急な下りやお試しもあって、チェーンアイゼンを装着。 景信山で、10人くらいの山マダムに遭遇。その人達がスタートしてしばらくしてこちらがスタートしたけど、その人達は坂部分で往生してた。こちらに気づいて「先に行って。私たちの後だと日が暮れるから。」とか言われてしまい、脇を通過。別に抜かずに待ってようかと思ったんだけど。まっ、坂では往生だろうけど、あの時間に景信山まで来てるんだからマダム達もたいしたもの。そう言おうとか考えたけど、神経張ってる状況みたいだったので止めといた。

結局、もみじ台の先=高尾山の直前まで、チェーンアイゼンはつけたままだった。アイゼンをつけてちょっと走ってみたけど、まあまあ。ただし、積もった雪のトレースが少ないと、膝にがくっと来ることがあった。今回は少し雪が深かったので、(当然)ラッセル時は平らでも走れず。 なお、チェーンアイゼンのツメがどうも非対称で、左右があるように思えてきた。説明書などで確認するつもり。 山マダムの人達みたいに陽気な人達と、対向でもむすっとした人も少なくなくて、特に後者は意外。1度、数メートル先の対向からストックを横にして歩いてくる人がいて、こちらが停止してて通り抜ける時にも何も言わず。長さ調節しようとしてたように思える。トレースの幅が狭いし危ないから停止してたのに。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075254j:plain景信山の坂のちょっと先、小仏峠のタヌキや石碑、小仏城山直前や茶屋の様子。 小仏城山でも結構な雪で、驚いた。茶屋は、両方ともやってなかった。小仏城山なら茶屋営業してて、温かいおしるこかけんちん汁(なめこ汁)を少し期待してたので、ちょっぴり残念。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075314j:plain一丁平、もみじ台への階段、もみじ台まき道、高尾山への階段、振り返って奥高尾の掲示の様子。 もみじ台までは、ほとんど土部分は見なかった。もみじ台への階段は、結構水分含んでそうで避けた。逆にまき道の方は雪が深いし枝の木も雪で垂れ下がってて、まだまだ雪山を堪能。 ほぼ同じ箇所からの、高尾山への階段と奥高尾への道の雪の茶色さ/白さが対比的だった。こうも違うものなのか。

高尾山の頂上の様子を見たかったので、チェーンアイゼンを外して、階段を進む。階段部分は、滑りやすくて歩きにくかった。 階段登りきったところはテーブルなどもあり、ちょっとした広場になってる。バーナーでの食事をしているグループが、3,4つ。いいな~とか思いながら歩いていると、なんか黄色い部分がチラホラ。しかもトレースでの道のすぐ脇。1,2つ見てから分かったけど、ウ○○。結構ビックリ仰天というか、興ざめ。あれ見たら、3つ星とやらを信じられなくなっちゃう。「これだから都民は」とか考えたけど、都民とは限らないし、日本人じゃないかもとか思って、余り考えないことにしたけど。

 

f:id:honda-jimusyo:20200922075317j:plain頂上の様子。人はチラホラ。どうやら売店の1つは営業してたみたいだし、ちょっと下ったところのお店も営業してたみたい。
どのルートで下ろうか考えたけど、4号路の吊り橋と6号路が頭に浮かんだ。とりあえず吊り橋を優先。ちなみに、頂上脇の4号路への道は閉鎖中だった。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075230j:plain頂上から少し離れた4号路への階段、”いろはの森”の上野樹里CMの場所(多分)、吊り橋の様子。結構雪も深くて楽しめた。
2号路への合流から先は、ぐちゃぐちゃ。アスファルトなので、土のぬかるみよりは気が楽だったが。浄心門から3号路は通行止め。

 

f:id:honda-jimusyo:20200922075235j:plain霞台から6号路に抜けようと考えたけど、階段とかその先がぬかるんでて躊躇した。丁度年配の婦人が霞台に登ってきたので訊いたら、それなりにぬかっているとの返答。 それまでぬかったところを通らずに済んでたし、あの道で滑ったら大変と、1号路で清滝駅の方をめざした。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075243j:plainアスファルト道路は、雪かきとか溶解で歩きが可能になってた。樹木の雪も結構残ってた。ただ、それまでずっと歩いてきたこともあり、景色に見とれることもなく駅へ急いだ。 下山したら食事などをどうしようかと、考えながら歩いた。スーパー銭湯へ行く案もあったけど、夕食を自宅でと考えたし余り疲れてないので積極的になれず。でもたくさんは食べられないが、軽めの食事+ビールくらいはとの思いが出てきた。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200922075223j:plainケーブルカー駅近くの、雪をかぶった”ムササビ”像や駅界隈。


そう言えば、以前「とろろソバ」を勧めてくれた知り合いがいたな~とか、お店の名前はなんだっけと考えながら、駅から商店街の道を。営業しているお店を見かけたけど、別のお店も見てみようと下っていったら営業してない所が多かった。高尾山口駅に近いところにあったように思って歩いたけど、勘違いだった。再度ケーブルカー駅に向かう気にもならず、そのまま高尾山口駅から乗車。 結局高尾駅近くのそば屋さんで、とろろソバとビールにした。

 

高尾山頂上界隈とか下山の終盤はちょっと不満が残ったけど、最高に近い1日だった。歩いた距離は、カシミールでの近似距離+アルファで20キロくらい。 コースタイムは以下。

08:50 陣馬高原下バス停スタート

10:10 ~ 10:30 陣馬山

11:07 ~ 11:09 明王

12:24 景信山

13:03 ~ 13:05 小仏城山

13:45 高尾山

14:46 清滝駅

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