奔車紀行

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屋久島・宮之浦岳 ナイトウォーク

昨日と今日は、屋久島の宮之浦岳にナイトウォーク。夕方に白谷雲水峡をスタートして、真夜中(0時半位)に宮之浦岳山頂に、そしてそのまま下山して翌朝白谷雲水峡に戻った。山頂では深夜だし、縄文杉もぼんやりとしか見えずフラッシュも届かない有様。ちょっと勿体無かったけど、それなりの背景があって、そうなってしまった。

 

屋久島(宮之浦岳)へはいつか登ろうと、高校の同窓生などと話していた山。鹿児島県出身なので、県の最高峰にはチャレンジしておきたい。九州最高峰だし世界遺産でもあるけど、自分の気持ちの中では、鹿児島県最高峰の方が意味が高い。で、春休みはなんとなくうやむや。夏休み直前に同窓生から「登る?」ってメールが来たけど、既に夏には帰省しないと親戚に言ってしまった。なので、遊びのために急遽帰るというと非難轟々の予感。

 

逆に、ハセツネへの出場が0次関門で撃沈。ガックリ来て、2,3日放心状態だった。ナイトウォークなり長い距離は、この時期トレーニングしておきたい。そこで思いついたのが、屋久島。ただし、今まで行ったことがなくて、様子(雰囲気)が分からない。コースをどうしようかと考えて、百名山ひと筆書「グレートトラバース」チャレンジでの田中陽希さんのコースが浮かんだけど、安房(あんぼう)からのアスファルト道路だけで標準コースタイムで8時間超。バスで登山口への途中まで行けるけど、そのバス便が1日に1本とか2本程度。ということで諦めた。ちなみに田中陽希さんのコースは、安房→淀川登山口→花之江河→宮之浦岳縄文杉→白谷雲水峡→宮之浦港

 

他に荒川登山口からのルートがあるけど、道路の時間やバス便が田中陽希さんのコースでの最初の方とあまり変わりなしで断念。楠川からの登山道(楠川歩道:屋久島では登山道を歩道と呼ぶ)があって、多少検討。ちなみに他に花之江河登山道のルートがあるけど、丸太橋で結構危険な所があるようで、今回のナイトウォークでは論外と思えた。なおNHKの「にっぽん百名山」での宮之浦岳の回は、楠川歩道を利用したものだったはずだ。(「にっぽん百名山」でのその回では、地元の子供たちに宮之浦岳に登った人は?と聞いたら、数人中ほとんどの子が手を挙げた。さすが、、、、。)

 

結局初めてでナイトウォークなので無難にピストンにして、フェリーやバスを(まだ)使いやすい白谷雲水峡からのアプローチにしようと考えた。最初は、どこかの山小屋(避難小屋)で仮眠程度にして、宮之浦岳山頂で御来光を迎えるとの案。ところが、そうすると鹿児島の実家への帰宅が普段のバス停ではなくて、結構遠いバス停になって、帰り着くのが夜の10時とか11時になってしまう。遅くなりそうとの旨を述べたら、相当皮肉を言われてしまった。そうなると逆算して少し早めのフェリー利用→早めのバス→9時くらいに白谷雲水峡へ戻るとなってしまい、御来光は断念。述べたように、真っ暗がほとんどの登山になってしまった。

 

リュックや服装をどうするか悩んだけど、飛行機などでの服装は登山姿にした。靴は普段でのトレラン用のサロモンにして、上着はファイントラックの1番や2番。それにフェニックスのウィンドブレーカーを必要に応じて羽織る感じ。ズボンは、ノースフェイスの登山用。で、屋久島でのリュックは普段のトレランでの9リットルのにして、他のiPad miniなど実家向けの荷物を含めて、少し大きめのリュックにトレラン用のリュックなどを入れて持ち運ぶ事にした。(万一に備えて軽量ダウンや、本来履こうと思ってたCW-Xなどは屋久島でトレランリュックへ移した。トレランリュックには、他には手袋と耳当て程度。耳当ては一時風が出てきたかな~と思ったときにちょっと使った程度。手袋は冬のランニング用で、寒さ対応というよりも、山頂が近くなっての笹避けや岩を掴むのに使った程度。)

 

ちなみに、直近で自撮りのグッズを買って持参。宮之浦岳での撮影に備えようとした。ただし、山頂三角点の石碑が平らで、それを使ってセルフでの撮影ができたので使わず。縄文杉でも全然撮影できそうになかったので、使わずじまいだった。直近でポンチョも買ったけど、雨が降りそうに無くて、そもそも自宅に置きっぱなしとなった。傘は、帰りのことなどもあって念のために持参したけど、登山では利用せず、高速船ターミナルでのロッカーに置いとく事にした。

 

 

羽田空港で、少し気にしたのは空のペットボトル。リュックのサイドポケットにちょうど良い330mlの容器は自宅から持ってくことにした。屋久島でも自販機はあるだろうけど、このボトルが売ってるかは疑問だったため。で手荷物検査の時に、空ですがと言ったけど、一応出してくださいと言われた。またiPad miniとかは(位置の関係で取り出すのが面倒で)リュックのままで良いですかと言ったけど、それも取り出す羽目に。どうも、電子機器などでは線量?を変えているみたい。

 

羽田→鹿児島空港での飛行機からは、少し霞んではいたものの富士山が見えた。噴火で大変な木曽の御嶽山も、注意すれば見る事ができた。今まで2回ほど目にした「四国カルスト」もそれなりに見えて、今回は写真撮影も行った。多分、「四国カルスト」に間違いないと思うけど、飛行機からだと四国の島の真ん中の山の中に白っぽく見えてるもの。

 

鹿児島空港→フェリーの高速船ターミナルは、(朝の10時、11時は)1時間に2本ほど出てる。上手い具合に10時ちょうどの高速船ターミナルまで行くバスに乗る事ができた。終点の高速船ターミナルで10人近くが降りて、自分含めて3人くらいが登山の格好。個人的にも、昔より鹿児島空港やバスでの登山姿の人が、結構増えた感じはする。

 

なお、飛行機を降りて真っ先にと思ってたのが、「いわさきICカード」の確認。「いわさきICカード」は鹿児島でのバスやホテルを経営している岩崎産業を中核とするいわさきグループの、いわば交通カード。実家に帰る際のバス便で利用している。今回利用するフェリーや屋久島でのバスでも使える。屋久島の山行記でも時々登場してて、ポイントの関係で割安になるのがメリット。他に空港→鹿児島市内が実質割引になったりする。

 

ポイントは購入時のみで、チャージ時には付かないのかも知れないと思って、その確認を空港で急いだ。チャージ時に付かないのなら、新規に購入して、フェリーでの切符購入に当てようとの思い。でも係りの人に聞くと、チャージでもポイントが付くとのことで、新規購入はしない事にした。今までちょっと注意してなかった、、、。

 

ただし鹿児島空港では新規購入はできるけど、チャージは不可。(バス内では1000円だったか小額のみのチャージのみ。) そこで、高速船ターミナルの窓口で、いわさきICカードにチャージして、往復割引券を購入した。鹿児島から宮之浦港へ直接向かう場合も、(種子島に一旦寄ってからの)安房港へ向かう場合も金額は同じ。また往復割引で、行きと帰りを別の港にするのは可と言ってた。でも切符には、例えば今回だと帰りは宮之浦港と印刷されてしまってるので、”/安房”とか書いてあると安心感が違うんだけど、、、。なお、高速船ターミナルのトイレに荷物置きがあって、ちょっと感心。感心は大袈裟だけど、写真にパチリ。

 

高速船ターミナルの食堂で食事、カレー。1時間くらい後の出航で、余りに腹に入れると船酔いなどで大変かなと思ってのこと。でも船は”トッピー”で、天候が穏やかだった事もあるけど、えらく安定してる。エンジン音やその振動はするものの、波揺れはあまり感じず。車だと一旦停止後の発車や道のデコボコで揺れる事があるけど、それよりは揺れない感じ。こんな事なら、ちょっと食べとくべきだったと乗船してて感じた。

 

高速フェリー・トッピーでの席は、2階の右側。開聞岳をお目当てにしてのこと。それなりに綺麗に見えたけど、霞んでて、ちょっと残念。(高速フェリーは、切符購入と座席指定とが別。開聞岳を見たいか桜島を見たいかで席の左右が違う事になるので、人が多い時にそれが気になるなら座席指定を早めにしてた方が良い。)

 

なお、シートベルトをつけるようになってるのと、船内のテレビで登山での注意などが流れてるのは驚きであり新鮮だった。テレビを見てる人は少なかったけど、シートベルトをしてる人がほとんどだったように思う。(係りの人が点検に来たかも。)

 

屋久島が近づいてワクワクしたけど、最初に島と思ってたのは島の北部分で、少し霞んだ先のほうが宮之浦岳などの部分のようだ。多分屋久島の海岸や近くの洋上などからは、宮之浦岳は見えないんだと思う。

 

 

フェリーを降りて急げば14:05のバスで白谷雲水峡へ向かえたけど、荷物預けや買出し、食事があって、次の15:30のバスにした。これは予定通り。なお、荷物預けは、高速船のターミナルに一応ロッカーはあって、(明日になりそうと言ったら)キーを係りの人が預かってくれた。リュックの荷物移し替えなどを行って、トレラン用のリュックだけを持って、街の方へ向かった。結構暑くて、ウィンドブレーカーを手持ちしたけど、それを仕舞えば格好的には、トレランに見えるような格好。

 

環境文化村センターとやらがビジターセンターを兼ねてる感じだったが、雰囲気がちょっと違うように思ってパス。(帰路で寄ってみたけど、ジオラマ見るにもお金がいるようで、ちょっと、いや結構違和感。喫茶コーナーなどもあって、どっちかというと文化施設かな。) また、世界遺産の石碑のすぐ近くに椋鳩十の名の付いた公園があって、へぇ~と思った。椋鳩十と鹿児島は関係が深いのは知ってたけど、そんな公園があると初めて知った。(そう言えば、鹿児島で彼の名のある賞があったけど、地元参加が少なくて最近廃止になったと思う。)

 

買出しの為に歩いたけど、スーパーが見当たらない。一応調べたんだけど、ちゃんと場所や距離を把握してなかった。だんだん食事やバスの出発も気になって、高速船ターミナルの方に戻ることにした。途中でパン屋さんを発見。そこでパン4つと、ミネラルウォーターを購入した。山中で食べたけど、結構美味しかった。

 

結局食事は、土産物屋さんの2階で。ガッツリ食べようかと一瞬思ったけど、ここでも次のバスのことを考えて、普通の定食程度にした。食事しながら、さっき買ったミネラルウォーターを空ペットボトルに移し変え。お店の人に、空いたペットボトルを預けた。(ほんとこのご時世、ゴミというかこの類の始末は面倒になった。)

 

土産物屋さんの前辺りにバス停があったけど、念のためにと宮之浦港(高速船ターミナル)に戻る事にした。すると、環境文化村センターの先の方にスーパーの看板らしきものが見えた。少し上り坂だけど、距離的にはすぐ。なんだ~と思うとともに、やっぱ場所や距離は的確に調べておくべきだったと反省。

 

宮之浦港(高速船ターミナル)でバスを待ったけど、なかなか来ない。予定時刻を10分だったか5分だったか過ぎてバスが来た。ほっ。運転手さんが、遅れた理由というかどの道***なのでとか言ってたけど、よく分からず気にしない事にした。乗客は1人のみで、白谷雲水峡まで誰も乗車せず。いわば貸し切り状態。

 

バスが高度を上げるにつれ、山々や谷の展望がすばらしくなっていく。それなりの幅の道だけど、歩道の分離帯も無くて、人が走るのは結構辛そうに思えた。TV番組の「グレートトラバース」で田中陽希さんが宮之浦港に急ぐカーブが登場したけど、そこのカーブも見る事ができた。少し急な勾配。車がいなければさほど気にならないかもしれないけど、車と行き違う時はヒヤッとするかな。

 

で、しかも白谷雲水峡が近づくにつれ道が狭くなって、バスと車とでは、バックしたりして道を譲り合うようになってきた。自分は、この道をランに使うのは躊躇しそうとの印象。(ちなみに、楠川歩道は、楠川→白谷雲水峡が1時間半、白谷雲水峡→楠川が1時間とある。)

 

白谷雲水峡の本来のバス停ではなくて少し先のトイレ近く/駐車場近くで停車して、そこで降りた。トイレを利用して、白谷雲水峡の方へ。余り気にせずというかお世話になりますくらいの気持ちで、協力金300円を払った。

 

そしたら管理棟の人が、どこまでとか言い出して、やり取りあって登山届けを書いて、、、。登山届けを書いたり無理は禁物と言われるくらいは許容範囲というか想定内だったけど、結構辛らつな事を言われてしまった。聞き流しても良かったんだろうけど、ちょっとむかっ。(帰路時などで思ったけど、白谷雲水峡ってある意味観光地。本格的な登山道に繋がっていたり、雲水峡の中にも少し注意が必要な所も見かけた。なので管理棟の人も神経質になる時があるのかもしれない。ちなみに、白谷雲水峡への出入り口は複数あって、楠川歩道や駐車場からの道は、この管理棟の前を通らずに進む方が登山道に近い。)

 

白谷雲水峡は、結構水で岩等が濡れてて滑りやすいし、平坦な所があったかと思うと、すぐに上り坂になったりで、そう走るような所ではない。しかも、 映画「もののけ姫」のモデルとなった「もののけ姫の森」などもあって景色を愉しみながら進む感じ。ちなみに、「もののけ姫の森」は一時そんな掲示もあったようだけど、今は「苔むす森」という掲示になってる。

 

「苔むす森」あたりで、17時。暗くはなってきたけど、フラッシュ無しで撮影できた。木などで覆われて暗い所もあったけど、経度の違いで、横浜などよりも日の入りが少し遅いというのを実感した。

 

白谷雲水峡でも、木の根の道や石段そして渡渉のところがあった。これらは、その後の宮之浦岳への歩道でも結構遭遇した。というか、これらと木階段の連続といったイメージ。多少平坦な所や岩肌を上り下りする所もあるけど、多くがそれらとの印象だった。

 

白谷雲水峡から辻峠(太鼓岩近く)を越えると、一旦下りになる。喧騒感が一気に皆無になってく感じもした。薄暗いせいか、時々道が分かりにくくなって、少し不安にもなった。下りで、最初のシカに遭遇(したはず)。

 

楠川別れまで下ったら、その先がトロッコ軌道だった。トロッコ軌道は歩いてみたかったけど、当初荒川口から楠川別れまでがトロッコ軌道だと思ってた。なので、ラッキーと思って、セルフで撮影などを行った。ただし、このトロッコ軌道が長い長い。途中までだろうとか思ってたら、大株歩道入口まで続いてた。大株歩道入口に小屋風のトイレがあるけど、トロッコ軌道の駅舎のようなものだった感じだ。

 

途中でシカに遭遇。夜になって、こちらのライトで目が光るので、結構不気味だ。しかも人に慣れてるせいか、じっとしてる。(小さな)熊鈴位では逃げようとしないし、フラッシュ焚いても直ぐには動かない。シカとの遭遇はトロッコ軌道の後も何度もあって、その度にヒヤッっとした。しっかりした角のあるシカもいて、こちらが身構える時もあった。昼間とか、何人かでの登山ならさほど気にならないだろうけど、1人だとやはり不安になる。

 

 

大株歩道からは、トロッコ軌道からまた木の根の道や石階段へ大きく変わった。いわば本格的な登山道へ。最初が結構急だし木の根が凄くてビビったけど、しばらくして穏やかな上り坂も出てきた。少し安心。

 

暗くて周りが見えるわけでもないので、ひたすら登るイメージ。ウィルソン株の所は、もう真っ暗で、帰りに撮影しようとパス。縄文杉のテラスから杉らしいのが見えるけど、フラッシュ焚いてもぼんやりとしか映らなかった。

 

ここでだったか、縄文杉近くの東屋(休憩舎)で休憩してるときだったか、ズボンからCW-Xに着替えた。歩き続けると暑くて蒸れる感じ。やはり南国なんだな~との感想。休憩舎ではパンを食して、仮眠というか長休憩。要らない気もしたけど、軽量ダウンを体の上にかぶせる程度は行った。手袋や耳当ても、休憩時は使わず。

 

 

休憩舎をスタートして、高塚小屋を過ぎると、次の大きなポイントは新高塚小屋。両方とも、こちらのライトに反応してか、灯りがついたように思う。新高塚小屋の近くではライトを目にして、やっと登山の人かと思ったけど、近くのトイレからの戻りだったようだ。

 

新高塚小屋直前の水場で、水補給した。結構分かりやすい水場の掲示が出ていた。屋久島の歩道には水場が多いけど、それと分かる掲示はここだけだったような気がする。復路でもこの水場は利用した。

 

第1展望台や第2展望台とかから、登山道の脇に巨石が目に付くようになる。やはり面白いというか、屋久島の山頂に近づいたとの印象が強くなった。山頂が近づくと森林限界というか歩道の脇は笹に変わって行った。ただし、思った以上に岩が濡れているというか水がちょろちょろ流れてる。

 

で、シカ、水となると、丹沢に良く行く身としては、”ヒル”の事が気になった。実際、この前に丹沢で実害受けてるし、、、。そうは言っても、屋久島でのヒルの話題って余り見ない気がして、花崗岩が関係してるのかなとか、周りが海で雨がほんの少し塩分が含まれててヒルが棲まないのかな~とか考えた。

 

ところが、ところが、、、。注意してたら、ヒルが見つかった。歩道の岩の上。写真にパチリ。ぱっと見では長くて、丹沢のと違うようだが、それは血を吸ったかなどの違いかもしれない。その後も、もう1匹いたのを確認した。さらにその後、数匹集まってるのを見たけど、そちらは木の葉だったかもしれない。(帰ってから、検索したら屋久島でのヒルのことを結構書いてある。次回来る時は、ヒル対策必須だな~。)

 

笹道での岩の辺りでも、小さな”糞”が目に付いた。シカにしては小さすぎる気がする。岩を掴もうとすると目に入ったりするから、慌てない事といった感じかな。その意味でも、手袋を持っていった方が安心感はあると思う。

 

 

宮之浦岳は2つのピークがあり、その尾根で時々風が出てきてひんやりする時はあったけど、岩等が遮るのか何か羽織ろうというほどでもなかった。一時耳当てをしたけど、歩いてると暑く感じて外した。笹が深い所があって、CW-Xで正解というか、スパッツなどでは擦れて痛いと思われる。晴れてるのに笹の葉が湿った所もあった。湿度と気温というか風のせいなんだろう。また、2つのピークのために一旦下るので、気持ちの再チェンジが必要だと思う。

 

宮之浦岳の山頂界隈で行こうと思ってたのが、”祠”。屋久島の海岸の砂を持って上がるそうだ。ただし今回は砂は無し。直前に調べた所では、祀ってるのはヤマトタケルノミコのようで、この前の丹沢でもそれに由来する足跡を見てきたので、何かの縁かなと思った。で、場所を的確に知らず、暗いので見つからなかったらどうしようと思ってたら、今回の山頂への道の脇にあった。ラッキーで、これも丹沢での足跡のお陰かなと思った次第。なお行きではお参りせずに、帰りにお参り。 (祠の件は、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと:山の幸、海の幸での山の幸側といって良いかも)を祀ってると書いてる所が少なくないので、そちらかもしれない。)

 

 

その”祠”の巨石の近くの深~い笹を分けて登ったら、すぐ頂上だった。頂上脇に歩道の案内が無かったと思うので、正式なルートかは不明。いずれにしろ、頂上到着して、歓声を上げたい気分。いや~良かった。しかも雲ひとつ無い夜空に満点の星々で、天の川もくっきり見えた。大袈裟に言えば、宮之浦岳を独り占め。

 

0時半ちょっと過ぎで、しばらく頂上にいても良かったけど、記念撮影などをして再度夜空を眺めて、下山に取り掛かった。白谷雲水峡から8時間ほどかかっており、下山はそれより時間的には短いだろうけど、多少は余裕を見ておきたい。風は皆無だったけど、頂上は風を防ぐものが無いし、長居するよりもまた登頂したい気持ちにしてた方が良さそうと考えたのも理由だ。

 

 

”祠”への道は、頂上からはいきなり深い笹道になる。再度正規ルートかな~と思いつつ、祠にはお参りしておきたくて、笹を掻き分けて進んだ。下りの方が、足元が分かりにくくて気分的には怖い。祠では、フラッシュを焚くと神様怒るかな~とか思いながらも、すみませんと言いつつフラッシュ撮影した。

 

山頂界隈の水が岩に浸ってる箇所を注意しながら進んだ。滑るような所はなかったけど、ちょっと神経を使った。そんな事もあって、ピークを過ぎたら時々小休止して、星空を眺めた。なお、北極星を探すけど、見当たらない。というか、どれが北斗七星などが分からず。我ながらちょっとショック。緯度や時間のせいなのか??

 

森林限界辺りでの小休止では、流れ星が見えるかもと、少し長めに天体観測を行った。2,3分のうちに2個の流れ星を観測できた。その前後でも、「あれっ、流れ星だったかな」というのはあったので、結構な頻度。ただし、気のせいか、流れてる時間が短かった。

 

ところが、、、、。少し広い所に出たな~と思ったら、(往路でももちろんだけど)帰路で既に一度通った箇所。道標があったので再度通過したのに間違いない。道迷いしたか~と思って、結構慌てた。急いで地図を出して、周回する道があるか見たけど、それは無し。道標へのいたずらやGPSが狂ったのかとか色々考えたけど、それらの可能性はゼロ。どうも小休止で天体観測してて、くるくる回って、来た道の方を向いた時にリスタートしたみたいだ。

 

実はそれの前に、GPSでのトラックが往路と被ってしまうので、何か良い方法が無いかなと色々考えてた。直ぐには思いつかなくて、帰ってからの調査だな~くらいの気持ちだった。道迷いの後は、さすがに応急的に道迷いしにくい方法を考えないと再発してしまうと、知恵を絞る事にした。思いついたのが、GPSでのコンパスモード。自分の進むべき方向を矢印で示してくれる。で、行き過ぎたりしたら、折れ曲がった針での表示になる。その後は、時々コンパスモードでの表示も行うようにした。ある意味、良い勉強になった。

 

その前後では、ヘッドランプの光量が少し落ちた感じがして、予備のランプに替えた。ただし、予備のランプの方がルーメン値は低い(半分程度)のに、元のと同じくらい結構明るい。また光量が落ちたほうのランプも、しばらくして再Onすると、いつもの光量に戻った感じがした。ナイトウォークでは何度か遭遇して、不思議だけどそんなもんなのか、自分の勘違いなのか?? いずれにしろ元々のランプの方は、勿体無いので電池を使い切るようにしようと思う。

 

道迷いの後は、時々急な勾配の木階段の時に太腿への疲れを感じたりはしたけど、順調に下って行った。日の差した状態での縄文杉を見ることができるかもと、復路でも縄文杉近くの東屋(休憩舎)で休憩した。パンを食べたり、仮眠というか横になったりした。ライト消して、じっとしてると、獣の声が聞こえる。結構響いてくるし、長い。ギーギーという声と、少し甲高い声。捕獲されちゃったのか、交尾系の音なのか??? 多少不気味ではあった。

 

東屋(休憩舎)で1時間くらい休憩して5時位になったけど、少し空が白んできたかな~程度で、日が差すにはまだまだ時間がありそうとリスタートする事にした。縄文杉も次回のお楽しみに残しておく格好になった。

 

ウィルソン株のしばらく前で人とすれ違った。小屋の係りの人なのか?? 「縦走?」って聞かれて、いやピストンでしたとか、今日は展望が良さそうとか会話した。その後も時々人とすれ違った。皆さん、3時とか4時くらいから登山開始なのかな。(東屋(休憩舎)で、遠くに車らしき光が見えてて駐車場の車?)

 

ロッコ軌道に辿り着いた時は一安心。ただし、そこからすぐだろうとの気持ちの反面、なんだか結構な距離に思えた。軌道が曲がりくねってるのが分かるからだろうか、あるいは疲れのせいか??

 

途中のバイオトイレを利用して、気分もリフレッシュさせた。その後は、楠川別れで白谷雲水峡方向へ。楠川別れで7時くらい。GPSでの到着予想時刻でも、一応余裕で白谷雲水峡のバス停に着きそうだ。ちなみにバスは9時20分。(バス停で判明したけど、実際は9時ちょうど発。自分の情報が古かったようだ。危ない危ない。)

 

白谷雲水峡の中に入って時間の余裕がはっきりしたら、復路は往路とは別コースを進んでみようかな位を考えてた。辻峠(太鼓岩近く)では、デポしてるリュック横目に、白谷雲水峡の小屋(管理等)の方へ進んだ。しばらくして、そう言えば太鼓岩に行くのも悪くないな~と、急遽引き返す事にした。「にっぽん百名山」でも、太鼓岩からの眺望が出たと思う。

 

結構急坂だけど、すぐに到着した。ぱっーと、青空が広がった。宮之浦岳や翁岳がくっきり見える。何枚か写真撮影して、近くに人がいたので、撮影をお願いした。2枚撮ってもらった。どうやら地元の人みたい。(後で見てみたら、片方の写真は、少し怖そうにしてる。^.^; まっ、丸い岩の上だし初体験だから、やはり恐怖心の方が少し先に出てしまう。) それにしても快晴で、超ラッキーだった。

 

その後は、淡々と白谷雲水峡の小屋(管理等)方向へ。着いたら、トイレに寄って汗とか拭いたりしてバスを待った。ちなみにCW-Xの上に、登山ズボンを履いて、ファイントラックなどは着替えず。(後述するけど、鹿児島市内でお風呂利用。)

 

バス待ちしながら様子を見てたけど、どんどん人が来る。貸し切りバスや、宿などからのワゴン車の類が多かったかな。大きな掲示板の前で説明などをしてた。ガイドさん風の人が、ビニール傘を持ってたのは、ちょっと意外。屋久島での雨対策は傘というのは知ってたけど、こんなに天候が良くても持ってくるのかとか、ある意味ファッションなのかとか考えた。また、あるガイドさんが、傘の先(石突の方)でポイントを指してるのには、少し興ざめ。そんなもんと割り切れば良いんだろうけど、、、。

 

 

帰りのバスも1人のみ。往路で宮之浦港入口のバス停の方が土産物屋さん(レストラン)に近そうだったので、運転手さんに確認してそこで降りた。ところが、レストランの2つともがモーニングのみ。さすがにパンでは元気出そうにない。結局、昨日見つけたスーパーに行って、幕の内弁当と缶ビールを買って、椋鳩十の名の付いた公園の所で食べた。

 

その後、宮之浦港に向かって、高速船の待合室でロッカーの荷物を出してもらったり土産を買ったりした。帰りの高速船はロケット。トッピーと同じように揺れは皆無だった。また、帰りも開聞岳を見ようとしたけど、行きよりも霞んでてはっきり見えず。ちょっと残念。

 

下調べで、鹿児島市の高速船ターミナルから歩いていけそうな所に銭湯があったので、降りてからそちらに歩いていこうとした。足が多少けだるかったけど、それよりも暑さの方にちょっと参った。CW-Xの上に、登山ズボンを履いてるから仕方ない。

 

ちなみに、銭湯はビルの1階だけど、結構古びた内装になってた。塩風呂や薬草湯があってそれなりに楽しめたし、とにかく汗を流す事ができたのはラッキーだった。その後は、山形屋バスセンターへ。丼物でも食べたかったけど直ぐには見つからず、山形屋RF1でのジュースにした。うーん、食事も下調べしとくべきだった。(中央駅界隈だと、お店が並んでるので、てっきりそれに近づいたんだろうと思い込んでしまった。いかんいかん。) そしてバスで実家の最寄バス停へ。

 

 

今回の距離はGPSでのトラック情報を元に、38kmとしておく。コースタイムは以下。

16:25 白谷雲水峡入口

17:47 楠川別れ

18:39 大株歩道入口

20:02 縄文杉

20:34-21:37 東屋(休憩舎)

00:39-41 宮之浦岳

03:58-05:03 東屋(休憩舎)

05:10 縄文杉

06:10 大株歩道入口

06:59 楠川別れ

07:34-07:55 太鼓岩

08:41 白谷雲水峡入口

 

 

 

結構充実した2日間だった。それは、ある意味、当然か。次回はグループ登山での可能性もあり、どんなルートになるか分からないけど、宮之浦岳山頂への明るい時点での登頂は再チャレンジしたいし、縄文杉もちゃんと見てみたいと思う。

 

 

 

 

追記:帰省からの帰りの飛行機は、6日発の午前の便で、台風の影響で欠航となった。今まで飛行機の欠航に遭遇した事はないし、最近はWeb予約による割引が絡んだり航空券の発行が無いので、振り替えの仕組みがいまひとつ理解できなかった。予定の次の便は飛びそうだったので、空港で振り替えとかキャンセル待ちの手続きをして、待合室でブラブラした。

 

すると、UTMFの2013年のシャツを着た人が近くにいた。向こうもこちらも暇そうになった時に声をかけたら、宮崎で大会があったとのこと。台風の影響で7合目までの折り返しになったそうだ。後で調べたら、多分「西米良スカイランニングクエスト」だと思われる。プレ大会で、来年から本格的な開催にするようだ。

 

台風の中のレース。ある意味貴重な体験だな~と感じた。その後はトレランとか、UTMFの話など。結構面白いひと時となった。

 

追記(20141026):資料というか貰ったのを整理してたら、宮之浦岳登山者向けの印刷物が出てきた。A4用紙1枚で裏表記載。石井スポーツかどこかのショップで貰ったものと思われる。月毎の平均気温や、用意すべきものが書いてある。で、”ヒル”のことがちゃんと書いてあって、「山ビルファイター」について触れてあった。ちゃんと読んどくべきだったと、これも反省。

 

 

 

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