奔車紀行

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還暦記念登山 北岳、間ノ岳

昨日と今日、今年の課題と目論んでた「北岳間ノ岳」へ。

 

実は、今年が還暦。いくつか目標めいた事を設けたけど、そのうちの1つが日本のワンツースリー(富士山、北岳間ノ岳)へのチャレンジ。第3位は奥穂高岳だったけど、国土地理院による間ノ岳の標高が変わったことと国土地理院での標高ランクはm単位なので、第3位が奥穂高岳間ノ岳になった。また北岳間ノ岳南アルプスで、奥穂高岳よりは自宅から遥かに近い。富士山は何度か登ってるしそう遠くないので、北岳間ノ岳にも行って、1年の間に3つを登頂しようと企てたというわけである。

 

北岳間ノ岳が頭にあるものの、こちらはトレランが主。大きなリュックとか持ってないし、そもそも山小屋泊が皆無。1度同窓会登山で富士山御来光ツアーでの便乗で利用した程度。屋久島・宮之浦岳への登山も、ナイトハイクで対応した。そのために、どうしても日帰りや0泊に思考しがちというか、その方向に出来ないか考えてしまう。

 

その際の大きなネックが、交通の便。バスなどの本数が限られる。交通規制があって、マイカーの乗り入れが出来ないし、夜間はバスや乗り合いタクシーすら通行できない。時間かけて歩いたり走ったりするには距離が長いし、狭いトンネルがいくつもあって危ない。ネットで駅での仮眠とかを目にして、選択肢の一つと思いながらも、その後3000mクラスの山に登るのは、やはり寄る年波には辛いかな~とか思ったりもした。余裕を持とうとすると3日でのプランニングになりそうだけど、それはさすがに嫌だな~みたいな感覚。

 

ちなみに、広河原というところが登山口のバスターミナル。シーズン中(やオフシーズンの土日)の甲府駅→広河原のバスは、4:35、7時、9時、10時発など。これがオフシーズンの平日となると、9時、10:15、12時発の3つのみになってしまう。ちなみに、オフシーズン平日昼以降の広河原→甲府駅は、14時の次が最終の16:40発。

 

実際に行った事が無い事もあって、北岳間ノ岳のルートや山小屋のイメージが皆無。北岳間ノ岳の間に「北岳山荘」があり、登山口から北岳の手前に「肩の小屋」がある。「北岳山荘」は少人数だと予約不要(予約への対応時間がもったいないらしい)とのことで気が楽なんだけど、北岳間ノ岳の両方を行くには、一旦北岳に登頂して引き返して間ノ岳に向う事になる。体力的に勿体無いのと、交通の便の時間へのロスに思えもした。また、小屋泊後に両方登るか、片方登って小屋泊するかも悩ましい。

 

さらには出向こうかと思うと、天候がらみが良くないことが多発。特に今年は、台風に悩まされた。天気が良さそうと思ったら、台風の影響で雨が続く予報に急変。また、天気の良い土日が来そうな時に限って、用事が決まってるとか、、、。

 

春前に買った、大きなリュック(30L)はタグが付いたままずっと架けてあって、「まだ行かないの~」と言われてる感じが結構続いた。とりあえず富士山にはさっと登ったけど、そうこうしてる内に、秋になり、寒波の来襲が迫ってきた。さすがにこれじゃ今年の目標が達成できない。準備として、リュックのタグを外して、丹沢(と言っても弘法山→大山蓑毛越 格好はトレラン)で慣れる事にした。

 

先週から天気予報で山では寒くなりそうとの予報を耳にするようになって、意を決して実行方向へ。とりあえず、広河原→(八本歯のコル→)北岳北岳間ノ岳北岳山荘→(八本歯のコル→)広河原のルートをGPS(Foretrex301)へ。北岳山荘泊の予定で電子申請しておいた。バスの時刻や念のためにと肩の小屋の電話番号などを携帯電話へ入力しておいた。

 

早く起きて、中央線の各駅停車で甲府駅へ。特急電車の利用などが普通みたいだけど、早く起きたら間に合うし、PASMOの利用可とかお金のことで各駅停車にした。まっ、朝寝坊したら特急利用もありかなのつもり。

 

寝坊する事もなく、電車は中央線各駅停車を利用。平日で、そう多くは無かったけど、大月駅で乗り換える登山客らを目にしながら、のんびりと。ただ、段々と広河原→(八本歯のコル→)北岳北岳山荘とか、直接広河原→北岳山荘が当日中に行き着くのは無理に思えてきた。夕方や暗くなってしまい、小屋の人に顰蹙かもと。あと、そんなに天気は良くない。明朝の方がまだましで、どうせなら山頂は翌日の方が良いよな~との気分へ。

 

となると段々、広河原→肩の小屋(泊)→北岳間ノ岳→八本歯のコル→広河原のルートにしようとの思いへ。途中で、肩の小屋への予約電話をしようと考えたけど、結局甲府駅で降車してから電話した。全然時間的には余裕があったけど、見知らぬ駅だしバス停が工事中で移動してるとかネットで聞いてたので、多少焦るようにトイレ済ましたりバス停に急いだ。

 

リュックの人達がいることもあってバス乗り場は分かったけど、どう並んでるのか良くわからず、少し距離を置いて待機。そうこうしてたら、切符販売のおばさん登場。途中で降りる人がいたり、協力金の事を知らない人もいて、ちょっと意外。切符は、昔懐かしい切り込みというか穴を開けるタイプ。「へぇ~」。

 

「へぇ~」はその後も続いて、切符販売のおばさんがバスに乗り込んできた。奥高尾や奥多摩でもそうなので、小「へぇ~」くらいか。で、その後、そのおばさんがしゃべりだして、大「へぇ~」。駅近くはそうでもなかったけど、信玄堤の話や山の名前などを話してくれる。帰りの分も含めると、土木学会の何とか史跡の一つ、ロボットでの崖工事、八ヶ岳と偽八ヶ岳(後者は深田久弥が言ったそうな)、トロッコ跡とか炭焼き商売、トンネル工事、滝とか沢上り、紅葉の様子、虎御前の鏡立石(曽我兄弟)、最近宇多田ヒカルの撮影があった?、街路樹のザクロなどなど、、、。たぶん花のホウオウシャジンの話しの際には、バスを停めて、撮影する人達を待ってくれたりした。

 

この観光バス状態のせいか、車内もなごんだ感じに思えた。奥多摩なども、もっとくだけた車内アナウンスにしたら良いのにと、ふと。ちなみに行きのバスは中型バスで、出発の甲府駅では2/3くらいの席が埋まり、途中のバス停の乗車で、立つ人も出てきた。帰りは普通サイズのバスだったけど、(途中での乗り降りはあって平均して)2/3~全部程度が埋まったのは同様。シーズン中は立つ人がでたり、増発便がでるのかな??

 

行きのバスで、リュック姿の中高年のグループが乗り込んできて、自分の隣の席に女性が座ったので、少し会話。そのグループは、途中の夜叉神峠で降りて鳳凰三山に向った感じ。結構軽めのリュックだったので、「有名な公園でもあるんですか?」とか、今思えばある意味無知な質問をしてしまった。と言っても、どこかで折り返しのハイキングだろうから、どこまでとか聞けばよかったかな程度。あと、山梨の人のようだったので、恩賜林が多いと感じているのでそのあたりの話も聞こうか悩んだけど、結局聞けずじまい、、、。

 

途中のトンネルは結構狭い。一度、ランプ無しで歩いてる人がいて、バスが急停車したことがあった。トンネルの数も多くて、徒歩では無理と実感。

 

観光バス状態で、北岳を含めて山の名前を何度か言われるんだけど、その都度で山の形状が変わったり日光の方向も違う事などから、なんかピンと来ない。仕方ない反面、ちゃんと山の起伏など予習しておくべきだったかと少し反省。

 

 

そんなこんなで、ほとんど飽きることなく広河原へ到着。テレビ番組(にっぽん百名山)での北岳の回とかでは、相当な人だったけど、オフシーズンの平日で、10人ちょっとが降りた程度だったかな。結構立派というか綺麗なビジターセンター。

 

トイレ利用して、近くの人に出発前の様子を撮影してもらって、登山スタート。長めスパッツと長袖ファイントラック2番の上に、春秋用の登山ウェア。靴は、いつものトレラン用。手袋などは準備してたけど、装着せず。逆に歩き出す(早歩き)と暑いくらい。

 

橋を渡り、広河原山荘の人達を横目に、登山道を進んだ。バスからの人も、結構広河原山荘で休憩してた。(帰ってから思うに、ここで泊まって北岳などに登頂してその日のうちに帰るのも選択肢としてはあったかもと。)

 

テレビ番組でカツラの黄色い葉の臭いの話しが、結構落ちてたので嗅いでみた。言われて見れば、そんな(少し甘い醤油を焦がした)臭いもしなくはない。

 

登山道はそれなりに整備されてるんだけど、結構岩が多い。走り出すには、ちょっと勾配があってしんどい。しかもすぐ先にごつごつした箇所とかさらに急勾配があるといった感じ。初めての道ということもあり、全然進んでないような気がしてしまった。あと、(当初からルートを変えてはいるものの)GPSでの北岳への到着予想時刻が、なんか変。歩いた距離とかを意識すればよかったんだろうけど、その時は大袈裟に言えば少しパニック。

 

登山道に水が流れているのも、ちょっと予想外。それも、無くなったかと思うと、しばらくしたら現れる。左岸、右岸とも。実は少し急ごうとした事もあって、多少濡れても進んだのが良くなかった。後述するけど、小屋についてからやたらと冷えているのに気が付いた始末。

 

沢に沿って進む事になるので大きな道迷いはしないけど、所々小さな迂回ルートがある。また、残雪時の関係か、沢から離れるルートと沢に近づくルートが入り組んだりしている。1度沢方向に向かい、途中でさすがに変と引き返したことがあった。登山道に戻ってよく見ると、横方向に木を置いてくれてた。(ただし、それまでも本来の登山道に倒木があったりしてたので、勘違いとか気付かなかったのは仕方かなったかな。)

 

少し上って登山道に水が見えなくなっても、岩が多いのと道の枝分かれで、なかなかスピードが出ない。自分の走力では、早歩きがやっと。とても走れない。GPSでの到着予想時刻が変なこともあって、少し気が焦ってきた。防寒の春秋用の登山ウェアを着てたせいか、早歩きとかでも暑いくらい。パンツはそのままで上着の方は途中で脱いだ。

 

途中で広河原の方を振り返ると、その先に大きな山。上の方が白くて、「雪じゃないよな~」。その時は石灰岩かなとか思ってた。ある意味不勉強だったけど、山は鳳凰三山で白いのは花崗岩。立ち止まって地図で確認すれば、すぐに分かった事なんだけど、、。まっ、気持ち的に結構焦ってたということで、少し反省

 

 

そうこうしてるうちに、大樺沢二俣というか、二俣の人工物=バイオトイレが見えた時は結構な安心感になった。二俣到着が13時ちょっと過ぎ。さすがに、オニギリ休憩と取ったり、トイレ利用して、リフレッシュ。ただ、山の斜面の関係で日が落ち始め近く思えるし、小屋への到着が遅くなるわけにもいかない。即スタートみたいな感じ。

 

それまでよりも更に勾配はきつくなるんだけど、細かい分岐があるわけじゃなく、それまでよりも気分的には楽になった。階段部分もあったけど、そう長くない。ただ、やはり高度がそれなりになったせいか、少し息が苦しい。苦しいというよりも、呼吸に神経が行かざるおえなくなってきた。

 

そう考えたら、心拍系の付いたGPSウォッチ(ForeAthlete 735XTJ)の方を持って来ればよかったと少し後悔した。というのも、GPS(Foretrex301)とジョギング用ウォッチにしてしまった。ジョギング用ウォッチにしたのは、2日間になりそうで、735XTJではバッテリーが持たないだろうと思ってのこと。でも、735XTJで、高度と心拍は時々表示させれば2日間でも大丈夫だったのにと思えた。逆に、735XTJのフィールドテストにちょうど良かったのにと。次の登山の時はちょっと考えてみよう。

 

曲がったダケカンバの木の眺めがテレビ番組「にっぽん百名山北岳の回と季節的にも同じで、気分的に楽になった。番組では木階段をどっこらしょと越えるシーンもあったけど、そんなに回数も段数もなくて、そちらも気分的には楽。

 

途中で男性二人づれに近づく格好になったけど、こっちは二俣までの登山道の細かい分岐のことが頭にあって、道迷いが怖くてすぐには追い越す気になれなかった。それでも、段々近づいて、向こうの人達が先に言ってくれと合図。こちらは進んだけど、「初めてで、道迷いしやすいですか?」とか訊いたら、大丈夫との返事。多少安心して、逆に小屋に急ぎたくて、追い越す事にした。

 

尾根に着いたら一安心。行動食休憩だけで、そのまま肩の小屋へ進む事にした。実は、そこで再度上着を羽織ればよかったけど、暑かった事もあって、そのまま。つまり長袖ファイントラック2番が上。標識からのりスタート時、にっぽん百名山での北岳の回で尾根への対応ですばやく上着を羽織る旨が出てて、それが頭を霞めたけどそのまま小屋に進んだ。

 

最初はさほどでもなかったけど、ちょっと風の強いと時も出てきた。尾根に出たのが15時近くで、遮るものが少なくなってたっぷりの日差しと思ったけど、日は弱くなってたんだな。少し寒さを感じるようになった。

 

クサリ場が登場。ストックを畳むか微妙で、そのままにしたけど、岩が大きい分通りにくい。2箇所あったかな。歩きやすい尾根道のイメージがあったけど、気が急いてる身にはちと辛かった。また、少し息が上がる感じと頭痛も。高山病じゃないよな~と思いながらも少し不安に。

 

途中で鳥の鳴き声が聞こえて、カメラ撮影したけど、残念ながらライチョウじゃないと思う。ライチョウよりも少し小さめ。富士山見えたけど、頂上は見えたものの、すぐ下からが雲。少し残念だけど、明日に期待。(逆に、今日登頂しなくて良かったかもと考えることにした。)

 

肩の小屋が見えた時は、ほっ。15時半くらい。受付時に食事時間を聞いて、予約では弁当にするかもと言ったけど朝食に変更。平日でシーズン少し過ぎてるので、人数は少なめ。1区画1人とのこと。区画は自由にだったか一番奥で良いよと言われたかで、そちらも、ほっ。(特に、山小屋への単独泊は初めてで、多少ドキドキだったこともあって、安堵感大。)

 

荷物をといて、少しのんびり。結構下着が湿ってて、ゴソゴソ探したら、帰りでの着替え以外も着替えを用意しててラッキー。ところが着替えようかどうしようか悩んでるうちに、予備の下着のパンツの方が見当たらない。「えっ~」。布団の中に入り込んだのか?? 結局小屋では見つからず、パンツの方は着替えせずそのまま。 (帰ってから判明したけど、帰り着替えとも違う袋の方に入れてしまったみたい。この類を入れとくのに、外から分かるようにしといた方が良いと猛反省。ちなみに後で分かったけど、外のトイレ脇に更衣室なるものがあった。体を拭いてなどを考えると、更衣室はありがたい。)

 

外人さんが1人いて、片言の日本語。英語で話しかけてる男性二人連れとかもいたけど、全体的には静か。

 

風が強くて、外に出たのは時々。でも虫の知らせなのか、ブロッケン現象には遭遇したし、満天とまでは行かなかったけど星も良く見えた。また、意外なことに携帯電話が通じて、Facebookの状況などを連絡した。

 

夕食は、カレー。ご飯お代わり可がありがたかった。その後ストーブの所へ。なんか足が冷たすぎ。何度かマッサージ。

 

ストーブではちょっと会話。テント泊の人が、高山病で、ちょっと寝たら直ったみたいな事を言ってた。最初、ちょっと寝た事を「一晩寝たら」と言うしで、それは一晩じゃないとか、寝て直ったのなら高山病ではなかったのかもとか、、、。吐き気もなかったとのことなので、ちょっとした脱水症とかだったのかもと皆さん。また小屋のご主人?とは、にっぽん百名山での撮影の事なども。少なくとも、にっぽん百名山北岳は2回やってると思う。クルーのメンバーによって、小屋泊だったりテント泊だったりと色々らしい。他の登山番組などの話しや夏の様子なども。

 

消灯時間の前から布団にもぐりこんだけど、寝付けない。頭も少し痛いまま。消灯されて、寝付けないために時々携帯でニュースなどをチェック。ところがある所から、携帯が通じなくなった。なんでだろうとか、明日にでも訊いてみるかとか、、。風が強くて、その音もあって、明日体調悪くなったらとかも少し考えた。

 

ところが、時々少し、自己催眠というか自立訓練(もどき?)をやってたら、頭の痛さがほんの少し軽くなったり、鼻の詰まりも少し軽くなってきた。今までにない経験で、結構面白かった。自己免疫が戦ってくれてるんだ~みたいな感覚。で、頭などが痛かったのは、高山病じゃなくて、多分”風邪”。最初の頃に足元の水が多かったことや、尾根での防寒が不十分だったせいだろう。最初の頃から、汗は少しかいてたので、それがジンワリと体力を奪ってしまったんだと思われる。自分の場合、小屋泊の時には、風邪薬は用意してた方がいいんだな。まっ、良い勉強した。

 

ちゃんと寝たわけじゃなくて、ウトウトしてるうちに、朝になって電灯が点いた。何もすることないので、しばらくして、1階に下りてストーブ前に。携帯電話の事を聞いたら、昼間は電波を集めてて自己発電とか言ってた。小屋の電気を借用してるわけではなさそうだったけど、そんなことあるのか??

 

朝ごはんもお代わり可。たっぷり食べた。お茶に、”茶柱”。テレビの天気予報も良くて、ちょっと期待。隣のご夫婦は、80を超えて二人で登山とか言ってた。周りは糖尿だらけになっちゃってとか、仲が良いという感じじゃなかったけど、逆にそれが山登りには良いのかな。

 

しばらくして、外に出て、ご来光拝み。日の出も富士山もくっきりで、なかなかすばらしかった。来た甲斐があったし、頂上からの展望を含めてこれからに大期待。

 

自分は6時半少し前に出立。暗いうちにヘッドランプで北岳に向う人や、少し明るくなってから荷物を預けて向う人など様々。小屋泊の中では、自分は遅い出立の方で、最後に近かったかな。さすがに、防寒の上下と手袋や耳当て利用。ストックも利用。

 

最初から富士山はずっと見えててた。そちらは大満足なんだけど、GPSにルート入れてない事もあるし、帰りの広河原発のバスの最終16:40(、その前が14時)の間に合わないとと心は穏やかならず。知ったルートならそうでも無かったろうけど、なかなか北岳頂上が見えず少し不安感が出てきたりした。最悪は、間ノ岳断念かとか、、。これは、間ノ岳に向う時も同様で、時間気にしながら引き返す可能性を考えたりした。

 

にっぽん百名山のシーンで、北岳の途中に富士山、北岳間ノ岳(ワン、ツー、スリー)が見えるシーンがあり、そこで写真を撮りたくて、ここかなと思うけどなかなか合致しない。テレビとは少し違うけど、3つが見えるところがあったけど、カメラに入りきらない。(当然ながら)ちょっと位後退りしても駄目。今回の目標の一つだったので、簡単に諦めるわけには行かない。更に戻るかと思ったけど、”パノラマ撮影”があるのを思い出した。3度ほど試行。なかなかうまく行かなかったけど、最後のがどうにか。(帰ってパソコンで見たら、少し途切れてた。再チャレンジしたいような、そんな機会があるか??) なお、相当寒かったせいか、カメラがバッテリー切れのワーニング。その後は、撮影を時々にして、手でカメラを暖めてから電源On。

 

小屋で一緒の人に途中で追いついたけど、写真撮影などで再度抜かれたりした。やっぱ、自分は上りでの足腰弱いな~と実感。逆に、頂上では写真撮影してもらえて感謝。特に、還暦記念の姿格好に着替えて(というか上着を脱いで)臨んだので、ありがたかった。

 

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その後1人になって、しばらく周りを眺めて、行動食。帰ってから思うに、もっとゆっくりとしておくべきだったけど、次の間ノ岳への登頂もあるし帰りバス時刻が気になったので、すぐに間ノ岳方向に。

 

前日でもそうだったけど、登山道に石が多いのと大きな岩を避ける時もあって、時々ストックが邪魔。ただし、アップダウンがきつい所もあり、ストックを畳む気になれないまま。急ぎ足とか気持ち的には走りたいけど、石で捻挫でもしようものなら大変と、どうしてもスピードが上がらない。このあたりが、(南)アルプスと丹沢などの山の違いかと実感。

 

北岳から下る際は、北岳山荘が何度か見えたので、距離感は掴めた。北岳山荘の脇を過ぎる頃には、16:40のバスには間に合いそうだけど、さらにその前14時にしようかなという気になってきた。そのせいか、気が急くのには変わりなし。間ノ岳に10時だと4時間しかないか~とか、基本下りだからいけるかな~とか、、。

 

間ノ岳への道は、今回は富士山見えるし、ハイマツ含めた展望はいいし、なんか最高。走りたいけど緩やかな上りが足の筋肉に響くとか、写真撮りたいけどバッテリーが不安で気持ちが行ったり来たり。また、間ノ岳が見えないので、距離感や時間感覚が今ひとつなのも複雑な気持ちになった。更には、時々小さな分岐があったり、岩をどっちに回ったら良いか分かりにくい所もあって、気が抜けない。

 

不慣れだけど、あれが間ノ岳山頂かなと思えるピークが見えてきたときには、ほっ。それまでも、実際は距離などからすぐに分かるんだけど、気が急いてたのと角度のせいか何度も間ノ岳?と思えるピークに騙されてきた。やっぱ、急な上りがあると、もう頂上と思っちゃうもんね。

 

頂上が見えたら誰もいなくて、「うっ、セルフでの撮影か~」と。頂上独り占めだったけど、還暦記念撮影が難しくなって来た。なお、それも考えて自撮り棒を持参。試しに撮影したけど、やっぱ今ひとつ。結局岩の上にカメラ置いて撮影した。巻きつけるタイプの小さな三脚も2つ持ってるんだけど、山ではそっちが良いかなを実感。今度もそちらを持って来ればよかったんだけど、、。

 

山頂では、農鳥岳とか富士山見ながら、おにぎり朝(昼?)食。頂上近くに企業私有地の旨の標識があったりして「へぇ~」。9時半前にリスタート。

 

北岳間ノ岳に登頂したので、気持ち的には広河原まで一挙に下ろう~。でも、登山道の石で、走れない、、、。少しきつめの下りでは、足の筋肉が急ぐなよ~とセーブを促す。

 

北岳山荘からは、今までの引き返しでは無くて、通ってない広河原への道。標識にそれっぽく書いてなくて、ちょっとウロウロ。念のための近くの人に聞いた。当たり前と言えばそれまでなんだけど、広河原へとの表示じゃなくて途中までは八本歯への表示で自分には予想外。(自分が、八本歯を分岐ポイントでなくて岩場の近くと思い込んでた。)

 

道がわかって進むんだけど、そこそこの上り。ちと予想外。それに暖かくなって来たせいか、暑い。しばらくして大休止して、上着を脱いで、タイツと長袖スタイルに。還暦記念のためのポロシャツなども着替えて、ほぼ普段のトレラン姿。また、ストックも仕舞うことにした。(岩が多くてジョギング用の手袋などが良さそうだったけど持って来てなくて、登山用の手袋のまま。)

 

2つくらいの木の階段の所で、休んでいる夫婦。バスの時間を聞かれて、16:40でまず大丈夫でしょうと言った。そしたら、不安の旨を言われて、それまでも目に入っていてこちらもちょっと頷いた。少しかわいそうな気もしたけど、と言ってどうすることもできない。天気が超良いんだし、広河原には小屋もあるのでどうにかなるはず。そう思って、自分は急いだ。

 

木階段は、人がそんなにいなかったこともあり、そんなに苦にはならなかった。こちらが基本下りだったせいもある。ただ、振り返って見たら岩に沿う格好で短い階段で、よくもまぁこしらえたもんだと感心。写真撮りたかったけど、バッテリーを気にしてパス。

 

少し開けた所に出たと思ったら、大きな岩の間を進むことになる。ある意味登山道がない状態。今までの木階段やそのシーンを見たら、いきなりのナイトハイクをしなくて良かった~と反省。ルートを見失ったり踏み外したら、一巻の終りとか長い治療になりそう。

 

どうやらあそこが八本歯のコルだろうと分かる所が出てきて、一安心。広河原の方向もはっきり分かるようになって来た。近くにさっきの北岳山荘近くで道を教えてくれた人がいたので、挨拶代わりにちょっと会話。お礼と、やたらの斜面の違いで風の強さや気温が異なり往生したとか、、。

 

大きな岩の間を進んだり、その後の木階段を下りようとすると、人がポツリポツリと。中には、ひぃひぃ言いながらの人も。体力ないわけじゃなくて、自分も少しそうだけど、相当きつい。その後もいくつも木階段があって、自分でもそう言いそうと感じたほど。このルート(左股コース)で泊まらずに山頂に向うのは、相当体力あったり、一旦山小屋にデポしてからが無難と思える。自分の当初案はある意味無謀だったんだなと反省。

 

八本歯のコルで大きく曲がる格好で、沢方向(広河原)へ。そこからもいくつも木階段があって、うんざりするくらい。目の前に沢周りの紅葉や鳳凰三山が見えるんだけど、こっちは14時に間に合うか必死であまり風景を堪能できなかった。下りということもあって、少しトレランモード。ただし勾配が急な所があったり、岩が多いので、そうスピードは出せない。

 

二俣のトイレもパス。そのあたりまで来ると、もう大丈夫かなとの気になった。けど前日での小さな道迷いのこともあったし、今回余り走れなかったのでトレーニングにと、なるべく走るようにした。一度通ったこともあったし下りだったのか、気分的にも楽で前日よりもはるかに短い時間で広河原に到着。

 

なお、二俣と広河原との間に、大きな石にプレートが張り付いてるのがあった。石英の類かが波打った結構面白い文様になってた。少し離れた所の大きな石も少し変わった文様で、案内板があったと思う。写真を撮ろうかと思ったけど、道からちょっと離れてた。時間が惜しくて、ネットに出てるだろうとパス。(帰ってから調べたけど見つけ方が悪いのか、発見できず。後述するように結構余裕で広河原に到着できたので、写真撮影に向わなかったのが返す返すも残念。)

 

数組程度に「右/左通りまーす」で抜かせてもらって、広河原の橋まで。そこからトボトボ歩いて紅葉の写真を撮ったりしながらロータリーへ。13時15分くらいには到着。

 

ちょっとトイレへ急いだ。大きな方に行ってみたけど、洋式だけど水洗ではなくて正式名は知らないけど下の蓋開閉タイプ。そうなんだ~と改めて思った。まっ、そこまで徹底してるということかな。

 

汗を拭いたりしながら、水は残ってたけどジュースの類を飲みたくなった。訊いたら、2階に自販機があると。行ってみたら、ビジターセンターのようになっててパンフレットもいくつか置いてあった。飲料やちょっと時間を潰して、その後1階に戻っていくつかの行動食で昼食。切符購入してのんびりしてたら、(多分)15分くらい前にバス到着の案内があった。今度のバスは普通サイズ。いつも通ってるんだろうけど、あのトンネルを通過できるのかな~とふと思ってしまった。

 

席は、出発時には2/3位埋まってしまった。発車のほんの少し前に切符売り場はどことか聞きながら、リュックを放るように席にの男性。出発前に座ったけど、ストックの片方がカバー無しで石突が丸出し。しかもリュックに固定してないので多少ブラブラ状態。一挙に興ざめしてしまった。まっ、山の色んな話しを隣の人と話してた限りでは、そう悪い人でも無さそうではあったけど、、。

 

なお、帰りのバスも車掌さんがバスガイド。お陰もあって、車内は和んでたし、あまり苦にならずに甲府駅に着いた。行きのバスではホウオウシャジン?の写真をうまく撮れないし話しが良くわかってなかった。帰りのバスでも停車してもらい、どうにか撮影できた。(帰ってみて見てみたら、それでもピン呆け。また、イワシャジンとそう違わない気もして、ちゃんと聞いとくべきだったと反省。

 

バスが甲府市内になった辺りで電車の時間を前もって調べたけど、バス到着予定から40分以上の待ち。外で食べようかとか風呂がないかネット検索してみた。バスの中でも風呂の件は話題になったけど、駅の近くにはないみたい。

 

ところが、甲府駅に予定よりもちょっと早めにバスが着いた。虫の知らせだったか、急ぎ足で改札通ったら、上り電車が来る直前。ラッキー。こんな時、PASMOSuica)が使えるのは非常に有効。あっ、当然だけど帰りも普通電車。高尾行き。

 

甲府駅でも、1/3位は席が埋まっていたか。それが高尾に近づくにつれ、入れ替わりはあるものの、最高で2/3位は埋まったかな。

 

高尾までは、ある意味のんびり気分だったけど、そこからの横浜線小田急線は普通の夕方電車。大きめリュックだったので、ちょっと肩身狭い。

 

そんなに疲労感はなかったものの、やはり2日間の山行は疲れた。さっと汗のウェアなどを洗って、寝ることにした。

 

夏の初めでも雪渓が残ってるとのことで行ってはみたいけど、日帰りにするか悩ましい。(若けりゃ、車中泊とか駅泊に抵抗ないだろうけど、年取ると結構辛いというか悩ましい問題になる。)

 

いずれにしろ、今年の大目標を達成したし、天候が良くて富士山ばっちりで大満足。久々の充実感だった。

 

 

距離は、23.6kmとしておく。ほとんど歩きだけど、20日の後半(八本歯のコル~広河原)は、木階段やガレ場でスピードは出なかったもののトレランモード。歩きも早歩きのつもりだったので、ラン扱い。気持ち的にはこの3倍(7,80km)くらいの距離移動に思えた。

 

主なコースタイムは以下。

広河原 11:16

二俣 13:13-25

肩の小屋 15:24

 

肩の小屋 06:27

北岳 07:02-11

間ノ岳 09:08-14

北岳山荘 10:21

八本歯のコル 11:22

二俣 12:12

広河原 13:12

 

 

写真は、以下の「はてなフォトライフ」の一般公開でアップしている。

奔車_20161020 - honda-jimusyo's fotolife

 

 

 

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