奔車紀行

つれづれ技術屋の趣味など いわば支所

富士山 0泊登山

6月の尾瀬への同窓生ツアーの帰りに、富士登山のことが話題になった。前から時々話題になっており「いつか一緒に登頂したいね」。ただし、自分の富士山へは、大昔富士登山ラソンのレース出場や練習で登っていることと混んだ状態での山小屋泊が嫌で、消極的だった。

ところが尾瀬から帰ってしばらくして、ハセツネに向けてのナイトランの練習が不十分と思うようになった。しかも出来れば、1晩ずっと走る/歩く練習。で、思い立って、0泊の富士登山をすることにした。もちろん混雑した時の富士山だと走れないし/今回は走らないし、逆にどれくらいのスピードなら山頂御来光になるかも良い経験かと思ってのもの。急に思い立ったこともあって、同窓生に呼びかけても希望者はゼロだったけど。^.^;; 同窓生ツアーも頭にあって、現地までをバスツアー利用もちょっと調査。安いのもあったが時間的に山頂御来光が無理そうでツアーは断念して、案の定というべきか電車とバスの利用とした。

 

富士吉田口の5合目を夜の10時くらいにスタートして、頂上で御来光、朝8時くらいにはまた5合目へ戻ってくるというパターン。 電車は、中央線と富士急行線の利用。昼に自宅を出て、電車の中ではなるべく眠るというか目をつむるようにした。急ぐ旅でもなかったし、お金はかけたくなかったので、中央線は普通電車を利用。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171345j:plain富士急行線の列車や途中の駅、富士山駅の様子。 途中の駅の写真は下吉田駅での寝台特急「富士」。日豊本線経由で東京-西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)を運行していたもの。「なんで?」と思って帰って調べたら、”富士”繋がりのようだ。

富士山駅前でおにぎりとかを調達するつもりだったけど、駅キヨスクとか駅前にコンビニなし。一瞬焦ったけど、駅ビルの地下がスーパー? そちらでペットボトルの水とおにぎりを調達。少し冷えてくる気もしたので、長袖もそこで着用。 17時少し前に富士山駅からのバスに乗車。往復割引とした。列としてどっちに並ぶのか良くわからず、最初先頭に並んだことになったようだ。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171406j:plain登山スタート予定まで時間があったので、スバルライン5合目でブラブラ。17時を過ぎて、ご飯でもと思ってお店に入ったら、食堂は閉まってた。想定外で、ちょっとビックリ。ただ、雲上閣は上(食堂)もやっててラッキー。23時くらいまで食事できそうだ。最初閉まってる所がほとんどと判明した時は、結構焦った。事前調査しとくべきだった。

なお、ブラブラしてる際に女性登山家の田部井さんに似た人を目にした。最初単独だったし登山ウエアなどがジャージ生地のようにも見えたので、人違いだろうと思った。その後2,3回目にして、外人さんとのやり取りもあり、もしかしたら田部井さんだったかも知れない。そんなことなら田部井さんか確認しておけば良くて、ちょっと後悔。

格好は自分の(高尾山や丹沢への)冬山の格好。尾瀬とは、最初から長袖上着やタイツの着用が違うか。タイツはCW-Xにしようかとも思ったけど、自宅から履いて行くには暑いし現地で着替えるには手間取ったり人の目もあるしとスポーツタイツにした。

リュックは自分の中では大きめの方。水は500ml*2 + 350ml*2。おにぎり2つ。他には、ルートを入力したGPSアミノバリューサプリメントタイプ、行動食のクッキーなど。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171338j:plain21時37分にスバルラインの5合目をスタート、富士吉田ルートの頂上に3時26分に到着しした。(富士吉田ルートの頂上は久須志神社。) 

登山中にヘッドランプを点灯してしばらく歩くと、頭の周りに違和感。最初何か分からなかったけど、蛾(が)の類が近寄ってる。いきなりの夜行に対する洗礼。点灯と消灯を繰り返して、歩き続けたらいつの間にかいなくなって良かった~。

なお、登山時の上りの道と下山ルートとの交差ポイントで、また間違えそうになった。昔の富士登山レースの練習などの関係で、佐藤小屋などの方向の方が馴染みがあるため。近くの人や地図で確認する羽目になった。

星が綺麗で、流れ星が時々。3つくらい見た。他の人でもぽつりぽつりといたけど、ヘッドランプの明かりを消して夜空を眺めたり、ランプ消して歩いたり。流れ星の他に、ゆっくり流れていく人工衛星も見えた。(その後の天候悪化の方向を思えば、もっと星空を堪能しておけば良かった。) 途中でのトイレ以外、大きな休憩は取らず。渋滞して待つ間に行動食を取った程度。また、(GPSの設定ミスで)御来光に間に合わないと勘違いして、早めの列に並んだり空いてる岩場を登ったりした。

渋滞は凄くて、岩場を含めた登山道は、2列とか3列で並んでる。蓬莱館を過ぎた辺りで、少し緩和されたかなと思ったけど、しばらくしたらまた渋滞した。ただし、立ち往生と言うことは皆無で、今回は割とコンスタントな混雑だったのかも知れない。

混雑は、小屋から出発する人達/人数に関係しているような気もする。 余り無理をしなかったので、酸素缶の必要性は感じなかった。気分悪くなかったけど試用してみたが、酸素缶の効果は? 少し気分的に良くなったかな~くらい。

ただ、岩場を急ぐのを10メートル続けようとすると少しクラクラはした。クラクラしても深い深呼吸で収まった。その時に酸素缶の効果を確かめれば良かっただろうにと、帰ってから気が付いた。(グループ登山などで必要そうなら、誰かが取り出しやすい箇所に入れておく必要性も感じた。ぶら下げておく方がさらに良いかも。)

お鉢回りを含めて、ツアーの人は多かった。引率ガイドさんが結構アドバイスとかしてた。渋滞の時とかに、深呼吸をとか、左に寄って休憩ですとか。統制取れてるという言い方は変だけど、ツアー客側もそれなりの装備や体力レベルのように感じた。個人的に同窓生富士登山でのツアー利用の話しもあったけど、選択肢として悪くないかもと思えた。ただし、山小屋の件と、体力レベルの件が課題かな。(一応山小屋の件は、同窓生で一緒に行くとなると我慢するよと言ってしまったけど。)

外人さんも少なくない。良い人もいない訳じゃないけど、変な人が少なくなかった。ルート外を歩いたり、、、、。

下山時には、(ジュース片手に)えらいスピードで駆け降りる外人さんもいた。 体力ということでは、登る最中にダウンしてる人を見かけはしたが、そんなにひどい人は見かけなかったように思う。中には軽装な人もいたけど、ほとんどそれなりの装備。自分の方がリュックカバー付けてないし、防水性低い服で恥ずかしいくらい。

 

頂上到着後少しブラブラした後は、1時間くらい御来光待ち。寒かった~。暖かいのを口にしなかったのも理由だけど、軽量ダウン着てたのに時々ブルブル震える位。 示した写真は良い方で、その後は雲が増えてきた。また、携帯電話の電池切れ。^.^; 御来光待ちを小屋の前にしたこともあって人が一杯。後から来て一番前のフェンス近くに陣取るグループや、そこで立ち上がる人もいて、余り良い気分にならず。

日の出予定時刻を30分くらいだったか過ぎて、お鉢の方へ。そちらにも人は一杯だったけど、小屋の前よりはましかなとの感想。(お鉢の方の人数は、お鉢回りを優先して減ったのかも知れない。)

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171258j:plain浅間大社奥宮と「このしろ池」。 池の方はガスのせいもあって、少し神秘的。極楽か地獄とか、黄泉の世界を思わせるような気もした。いずれも行ったこと無いけど。^.^;;

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171314j:plain剣が峰への道は頂上までの道と比較すると、がらがら。剣が峰の直前というか富士山測候所の前辺りから行列。写真撮影のため。

どうやらツアーの搭乗員なりガイドの人がシャッターを押している感じだった。ツアーも色々あるだろうから、旅行会社で協力し合っているのかな~とか考えた。仕組みは良くわからなかったけど、良い方法に思えた。写真撮影は○の方の列だとか、下山は○の列とか言ってた。左右とか言ってたけど、観測所側とか火口側とか言った方が分かりやすいのにと思った。撮影しない人の列もあって良いはずなので、その人達がどっちだったか記憶がはっきりしない。

いずれにしろ、それらの誘導もなかったり各自の撮影だと、あの界隈はめちゃ混みと思われる。人が多すぎると危険で、その意味でも良い方法。

頂上での御来光待ちと違って動き回っているせいか、寒さは普通。時々日がさした時は暖かく感じた時もあった。ただし、急に風が来たりするので、風や寒さへは対応しやすいようにしておく必要があると痛感。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171322j:plain電子基準点。時期的に早めの設置だろうから、デザインや素材としても古いタイプかと思う。結構でかい。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171330j:plain剣が峰から吉田口の頂上(久須志神社)の方へ戻る際に遭遇した、ブロッケン現象

帰宅してから目にしたけど、富士山頂郵便局は6時から営業と判明。富士山本宮浅間大社奥宮の社務所内に設置されている。6時に開いてるなんて思いつかなかったが、注意しとけば良かった。ただし6時は丁度通り過ぎた頃だったこともあって、注意してても気づかなかったかも。丁度の時間だったとの事もあり、ちょっと残念。

吉田口の頂上(久須志神社)で、写真撮影しようと待機したけど、登ってくる人は多いし、シャッター押してくれそうな人(碑まで映してくれそうな位置の人)がなかなか見つからない。諦めて下山口の方へ。 それにしても、凄い人、あるいは渋滞。中には、新宿とか原宿で歩いてそうな格好/歩きの人も。冬物コートを羽織った程度の人。手突っ込んで、そこ退けそこ退けの歩き。人と接触してた。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171244j:plain富士吉田・須走ルートの下山口とか、富士吉田の下山ルートの様子。ほとんどの人は、リュックカバーなどもしててそれなりの装備。(一部軽装備とか変な人がいて目立つから、つい気に留まってしまうというわけ。) 下山することから、ぽつりぽつりと雨。その後本降りになってきた。下山もそれなりの距離なので、結構さんざんな目に会ったとも言える。(逆に、土埃や日差しの方は気にする必要が無くてラッキーだった。一応マスクは持参してたが、利用せず。) 真ん中の写真は、下山での富士吉田と須走のルートの分岐点直前。そこそこ大きな掲示も設置されてたけど、人の案内もあった。ピンクのウェアで、こちら方向を向いてる人がそう。ご苦労さんとしか言えない。 右の写真が、下山での富士吉田と須走のルートの分岐点。狭くなるのでちょっと渋滞。

 

5合目近くになったら、雨は一向に止まないし疲れも溜まってきて、とぼとぼ歩き。下着も少し濡れていて、体に衣類がべとつく感じ。登山道には、所々に名物?の馬さんの落とし物があって、気を抜くわけにも行かない、、、、。 富士吉田ルートのスバルライン5合目に着いた時は、達成感の気持ちよりも、着替えなどの場所探しの気持ちの方が先走った。トイレ前の溜め水?で簡単に靴を洗ったり、長袖シャツの水を絞ったり、雨水利用で汗を簡単に拭いたり、、、、。トイレ内でタイツも脱ぐことにした。

発車時刻には少し早かったけど、バスの搭乗に並ぶことにした。一応雨を想定して簡易ノビニールシートを用意してたけど、バス自体に設置してあった。(初めての遭遇で)そんな運用なんだと、ちょっと感心。

ただ、バス並んでたら、後の人との間を割り込むようにして通過していく人とか、並んでてリュック背負ったままきゅうにこっちに近づく(ぶつかる)人とかいて閉口。どっちも海外の人。しかもバスで隣の席に座った人(娘?)は、左右に揺すれるし、、、。その人も海外の人。ほんと今回は、登山含めて海外の人にはまいった~。

なお、富士山駅までの間に、降車ボタン押されて停車したのに降りる人がゼロというのが2回も。最初運転手さんは「あれ、間違ったのかな~」とか対応してたけど、自分ならちょっと切れそう。間違って押したのなら「間違えました」位言えばいいのに、、、、。外人さんが多かったからそのせいとか、わざととかは思いたくないんだけど。

下山後のお風呂をどうしようか悩んだけど、富士山駅から少し離れた「リゾートイン芙蓉」の日帰り温泉「泉水」にすることにした。安いのに魅力を感じたもの。富士山駅から歩いたけど、作戦的には徒歩は失敗。暑いし、幹線道路に信号が余りなくて横断しにくい。また、従業員の人が前もって言ってくれたけど、ツアーの人で混雑。途中からどんどん増えてきた。また「はなの舞」が併設されてて飲んだり出来るんだけど、券売機だったり品数少なかったり、、、。グループで寄るならタクシー利用かな。あるいは、河口湖界隈などのお風呂にして少しゴージャスにするかだろうけど、悩ましい。

富士山駅への帰りも歩きにした。別の道にしたけど、暑かったこともあって、そちらも失敗に近かった。ただし、クライミング専門のショップを見つけたり、富士山駅前の道が富士登山レースの時の一部コースと判明して懐かしかった。練習などでの宿へ歩いた道でもある。「歓迎 富士登山競走」のノボリも並んでて、懐かしさ倍増。

 

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f:id:honda-jimusyo:20200921171251j:plain富士山駅に着いてきっぷ購入しようとしたら、快速か何かの発車間際。200円だったか追加料金が必要とのこと。急ぐ必要もなかったけど、長く待つ気もしなくて購入。 でも、これがなかなか良かった。椅子の配置もゆったりとしたもの。しかも外を眺めることが出来たり、乳幼児同伴のための仕組みなども。 写真は、余り人を撮すわけに行かなかったので構図等で変だけど、車内の様子。

キャリアアテンダントのような人が、子供には電車運転手の着せ替えなどを行ってくれたり、家族とかグループ写真撮影なども行ってくれた。 帰宅後ひとっ風呂。さほど筋肉痛などは残ってないけど、時差ぼけのようなボーッとした感じはつきまとってる。

 

混雑ぶりとかグループ登山で参考になる事は多かった。反面、人の多いことなどにより、嫌な思いも多少。同窓生グループ登山の時には我慢するとして、もし単独練習する際は、別コースにしたりシーズンを少し外そうかと思う。 なお、ナイトウォークという練習目標だけど、他の人のランプと比較して暗いかもという気はした。60ルーメンだったと思うけど、皆さん(そこそこ装備の人達)は結構明るいランプの人が多い。歩いてそう感じるくらいなので、走りだとまだ明るい方が良さそう。ハセツネでの練習でも、結構木の根の道は危なっかしいと感じたので、購入する気になった。(予備として1段”暗め”の方を買っていて、買う前に富士登山しとけばと後悔。) その点は有意義。

 

距離は、20Km。いつものように、GPSトラック上の距離を1.1倍した値。累積標高は、1894(+)、1919(-)。距離・累積標高とも、弘法山⇔大山のピストンとほとんど変わらない。累積標高は、弘法山⇔大山の方が50m位長いほど。

コースタイムは以下。

21:37 スバルライン5合目スタート

03:26-04:36 富士吉田ルート頂上(久須志神社近くで御来光待ち)

05:32-36 剣が峰

06:15-25 富士吉田ルート頂上(下山口)

06:54 須走コースとの分岐

08:36 スバルライン5合目ゴール

 

GPSのトラック情報は、後日ガーミンコネクトでのURLを示す予定。

追記:ガーミンコネクトでのGPSトラック情報は以下。 http://connect.garmin.com/player/217675378

 

追記:富士山の0泊登山を”弾丸登山”と呼ぶようになって、2012年の本ブログ当時と比較して止めなさいという風潮。本ブログでの記載は、結構以前ということと、レース想定しての練習と考えて欲しい。

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