NHK BSプレミアムで放送してるので知ってる人も少なくないだろうけど、「グレートトラバース」なるプロジェクトというかチャレンジが進行中である。「日本百名山」というのがあり、元々は「日本百名山」という本で取り上げられた日本でのベスト100山。その山々を人力のみで一人で踏破しようというもの。ちなみに今年2014年は、深田久弥の記した「日本百名山」出版50周年。(ベスト100という表現は深田久弥の意にそぐわないかもしれないけど、捉えやすくということで、、。)
チャレンジャーはアドベンチャーレーサーの田中陽希さん。山と山の間も、電車等を使わずに人力で。屋久島の宮之浦岳→九州南端の開聞岳などへの海上は、カヤックを利用する。7月に屋久島の宮之浦岳をスタートして、10月末(or11月上旬)に北海道・利尻島の利尻岳をゴール予定だ。
プロジェクトサイトは以下。
NHKの番組サイトは以下。
http://www.nhk.or.jp/greattraverse/index.html
番組の予告編や第1集を見て興味を持ったら、プロジェクトサイトに予定が書かれているのを発見。関東だと、雲取山、大菩薩峠、富士山、そして丹沢が該当し、到達予定日などが記載してあった。どっかで直に目にしたいという思いが高まっていき、そうなると次は具体的な作戦立て。できればというか自分の普段の格好や装備がトレランなので、それを前提にした方がよい。ただし、ちょっと厄介なのが予定日時が変わる場合があること。陽希さんの体調や天候で2,3日変わるのもだし、山頂への到着予定時刻まで書かれている訳でもないし書かれたとしても天候などで変わる可能性がある。第1集とかで頂上で待ってる人のシーンがあったけど、トレランウェアや装備で長時間待機するのは難しいと考えた。穏やかな天候ばかりとは限らない。
次の検討は、自分のコース。陽希さんの予定コースはほとんど分かってるので、陽希さんと逆ルートという作戦が考えられた。例えば、陽希さんは雲取山→大菩薩峠なので、丹波(三条の湯経由)から雲取山を目指せば、どっかで会える可能性が大である。でも、その会えるのは一瞬。勾配のあるところだったら、カメラを取り出す瞬間に過ぎてしまいそう、、、、。(ただし、丹波から雲取山のルートは自分は未経験だし、丹波へのバス便が結構少ない。)
陽希さんと同じルートという別案は、頂上での待機と同様に、どこで待つかが問題。先行して行くには的確な情報が必要で、Twitterとかでのつぶやきで分かる時もあるけど、つぶやきが無いと万事休す。それに、特に上りだと、自分はどんどん遅れそう、、、。
どの山にしようかとかどんなルートにしようかと悩んでいたら、Twitterで「丹沢・大倉」で交流イベントをやるとの情報を目にした。7月10日のつぶやきで、イベント開催は、21日祝日6時から1時間くらいとのこと。これは好機と、つぶやきに参加予定の返事をした。
https://twitter.com/GtTraverse100/status/487050808786051074
ちなみに、プロジェクトサイトでの予定ルートは、大倉から大倉尾根経由で丹沢山へ、その後は堂平を経由して塩水橋→宮ヶ瀬→橋本という予定ルート。自分は大倉→丹沢山には慣れてるけど、今まで堂平のルートを利用した事がないので良い機会でもある。ちなみに塩水橋・堂平のルートは、車利用で丹沢山に登る際の定番に近いコース。
次はイベントに向けての具体的な検討だけど、そもそもの大きな難関が、大倉での開始が6時。自宅や最寄駅からの最初の電車を利用して渋沢からのバスを利用すると7時くらいになってしまい、間に合わないというか会話などもできそうにない。最終的には、自宅から走って海老名駅まで、海老名の5時1分(だったかな)の始発電車を利用して渋沢まで。渋沢からまた走れば、6時に間に合いそうとのプランになった。自宅のスタートが4時ちょっと前で無いと駄目で、ナイトラン。
自宅を4時ちょっと前にスタート。ヘッドランプは手持ちでオン。タンクトップにしたけど、ちょうどいいくらい(というか、昼だと暑いのかな~との頭をかすめる)。厚木の飛行場を過ぎる頃から手持ちのままで、ライトオフ。空が白んできたら、少し暑いかな~という気分。時々汗も出てきた。あと、何か忘れたような気がしてたら、足の指へのテーピング。前から少し痛くて気にしてたのが、歩道のアップダウンでさらに痛めた感じ。また、昨日少し泳いだせいもあって、無理するとつるんじゃないか的な違和感があった。内心、昨日泳ぐんじゃなかった~とも思ったけど、もう後の祭り、、、。
海老名の小田急線の5時1分の電車に間に合うように急いだけど、結局次の電車になってしまった。駅のホームや電車内でテーピングしようかと思ったけど、ブレーカー羽織ったり携帯電話チェックでそれもできず。
電車を渋沢で降りて、走っても6時10分過ぎには着くかなと、バス停のベンチでテーピングした。ふっと見たら、タクシー乗り場に向かう人もいてタクシーの利用も考えたけど、ここは予定通りラン! ちなみに、バス停まで歩いた時に近くに女性がいて、今回のイベント参加な感じ。タクシーの便乗なども一瞬頭をよぎった。 (ちなみにその女性、イベントでの前に並んでた人の知り合いみたいで、こっちのことを覚えてた。トレランではちょっとしたつわものみたい。その人達とは塔ノ岳の頂上でも会って少し話をしたけど。)
大倉入口辺りでバスの通過に遭遇。菩薩からか、菩薩経由のバスのようだった。早朝に大倉に行く方法があるのかもと思ったけど、こんなに早く大倉にということは無いだろうからと、帰ってからも深く調べなかった。大倉への坂道では、数回歩き。多少情けないけど、仕方なし。朝露をつけた稲がなぜか印象的だった。
大倉では、100数10人位、既にいた。行列できてて、握手とかサインをしてた。末尾の方に並んだ。前二人がグループでトレランの格好。その前の人もトレランの格好だった。その前の人だったと思うけど、ハセツネのフィニッシャーTシャツを着てた。それをきっかけに、こちらも持参してた去年のハセツネTシャツを上に羽織った。元々は、大倉で着替える格好でハセツネTシャツにするつもりがあったけど、並んでしまった関係で、立ったままで羽織った。(大倉での陽希さんとのツーショットは、ハセツネTシャツでになった。全然人が少なかったら、「今年はエントリーできなくて、、、、」とかしゃべるつもりだったけど、人が多かったのでそれには触れず。)
なお、今日登山しそうな人は、3割いたか? さらにそのうちトレランらしき格好の人が、3割くらい。つまり、どっちかというとトレランよりも登山の趣味の人がほとんどといった印象。
前二人の人などと話したら、丹沢山までは行くつもりみたい。ということで同じ志の人が少しはいると分かって心強かった。前二人がサインなどを貰って、次が自分という時に、ちょうど一旦閉め。閉めというか、抽選会へ移行した。陽希さんとジャンケンして勝ち進んだ人達で景品を分ける方法。自分は3回くらいジャンケンに勝って、「あれっ、珍しいな~」と思ったら、次に負けちゃった。
ジャンケン大会が終わって、握手とかの続き。自分は握手して、頑張ってくださいの旨と今日は追い抜かれるだろうけど走るつもりの旨を言った。ツーショットの写真も撮影してもらった。イベントでは、試供品をもらえると聞いたけど既に無くなってて、住所などを記載して後で送ってもらう方法になってた。また陽希さんのリュックを担ぐ事もできたけど、そちらはパス。
イベントの終盤前に、こちらは先行して大倉尾根へ向かった。自分の場合、先行しないと塔ノ岳や丹沢山に一緒に着かないと考えたため。
スタートして登山道に入る辺りから、暑いと感じた。日は強くないけど湿度が高い。土も湿ってて、自分にとっては少し足取りが重い。見晴茶屋の手前のポイントなどで、普段より遅いのを実感した。
大倉尾根の途中で、大倉での前の二人に抜かれた。「やっぱ抜かれましたね~」とこちらから声掛け。塔ノ岳でも、その人達と遭遇して陽希さんを待つ格好となった。自分の想定では、陽希さんのゴールを見てこちらはスタート、陽希さんが一休み後にスタートという感じ。ところが、なかなか陽希さんが来ない。大倉でのイベントでサインを貰ったような人やその二人の知り合いなどの話では、山小屋に入ったらしい。(陽希さんと併走する時にその話が出て、見晴茶屋のご主人がトンカツを用意して待ってたようだ。小屋名など聞き間違いならごめんなさい。)
こちらはオニギリ昼食にして、30分くらい待ったか。その二人は山小屋へ向かった。待っても来ないので、水が少ないのを気にして自分は水場に行った。
水場から帰っても、普段の塔ノ岳とあまり変わらず。まだ来ないのかな~と1時間近く待ったか。その二人は山小屋にはいなかったけど、もしかしたら塔ノ岳から戻るかもと言ってたのでそうしたのかもと思った。後で思えば、頂上の人に聞いたりすれば良かったんだけど、、、。聞くにしても、陽希さんとか言ってもわかる人とそうでない人が激しいと思われた。100名山を踏破しようとしてる人とか、TVのカメラマンなどの一行と聞けばわかる人もいたかもしれない。(水場への道や水場からの道で歓声くらいは聞こえると思って水場にいったんだけど、聞こえなかった。そう大きな歓声とかを上げなかったんだろうし、下の方へは音はなかなか届かないのだろう。)
後で判明したけど、こちらが水場に行ってる間に、陽希さんは塔ノ岳に到着して丹沢山に向かったらしい。自分は、その後も塔ノ岳で結構待って、何か起きたのかもとか自分のトレーニングを兼ねてと、取り敢えず丹沢方向に向かうことにした。
ところが、丹沢山への途中で、大倉でのイベントで話した二人が丹沢山から戻ってきて、もう山頂到着したとのことだった。それから、駄目もとで^.^;ダッシュ。ほとんどエネルギー補給せずに丹沢山へ向かった。丹沢山の山頂も普段の風景と変わらず、もうグレートトラバースの一行は宮ヶ瀬方向に向かったと思われた。今度は思い切って山小屋方向から出てきたカップルに、「グレートトラバース、百名山の田中さんたちはもう出発しました?」と聞いた。そしたら、「ええ、数分くらい前に」とのこと。で、ダッシュ。^.^;;;;
だけど、陽希さんグループが見えない。「数分くらい前」は、「10数分だったんじゃないのかな~」とか、もしかしたら堂平ではなくて三峰尾根の方に進んだのかなと頭をよぎったけど、とにかく急ぐことにした。
鎖場の少し先で上ってくる人がいて、「田中さん、日本100名山の人に遭遇しました?」って聞いたら否定的。TVのカメラマンなどの一行と聞いたら反応違ったか?? いずれにしろ、とにかく急ぐことには変わらず。
そうこうして林道に出たら、数人のグループが林の中に向かおうとしてた。当初は陽希さんの予定ルートは林道コースだったこともあって、そのグループは登山グループか陽希さんを追ってるグループかと思った。が、近づいて判明したけど、陽希さんやTVのカメラマンなどだった。挨拶して「付いてって良いですよね」とか述べて後ろに位置した。ところが急な坂を結構なスピードで下ってる。三脚の人と、カメラの人は二人。こっちは、ストック使いながらも両手使える状況だけど、彼らは片手が塞がってる訳で、ちょっと驚き。
10分くらいだったか、再度林道に出たときは、結構安堵した。陽希さんを取り囲んで何やらしゃべってたけど、陽希さんの靴についてたのがヒルかなとの問答。その後はアスファルト/コンクリートの林道をグループでジョギングモード。なぜか時々少しスピードアップした時もあったけど?? 三脚の人などとちょっとしゃべりながら、同行させてもらった。
塩水橋のゲートのところで小休止。というか、どうやらTVクルーの人達は車で橋本へ向かうらしい。そうこうしてる内に、車で駆けつけた人達がポツリポツリと来て、握手や記念撮影をしてた。こちらも便乗して、ツーショットの撮影をしてもらった。
その後は、陽希さんと併走する格好になった。こちらは応援の人達がいたりするだろうから、少し距離を話した方がいいかなと思ったけど、色々陽希さんに聞きたいこともあって、近くを走らせて貰った。陽希さんは、途中で車で駆けつけた応援の人達との握手なども行っていた。
宮ヶ瀬まで陽希さんと併走するつもりだったのに、途中でエネルギー切れ。最初、体の調子が急におかしくなって内心「どうしたんだろう」と多少焦ったけど、丹沢山への途中からほぼノンストップ。ミニ羊羹2,3切れくらいしか食してない。後ナイトランを含めて、結構な距離を走ってるし、暑さでのダメージもあるような気配。理由とかがわかったけど、逆に簡単にリカバーできそうに無い。なので、陽希さんにもう駄目そうと言って、単独で行ってもらうことにした。塩水橋と宮ヶ瀬のちょうど真ん中辺りだったかな。
塩水橋-宮ヶ瀬の道は所々狭くなってて、走りやすいとはいえないように思う。路肩で分離されてるところもあるけど。また、イメージ的に湖の脇でなだらかな下りだろうと思ってたら、時々上りがあったりする。それも微妙に今回はダメージになったのかもしれない。
ちょっと残念だったけど、迷惑掛けられない。陽希さんのカメラで撮影してもらったりして分かれることにした。
その後しばらくは、トボトボと歩き。歩いてる時に、TVクルーの車とすれ違ったように思う。ちょっと恥ずかしい気分。
普段利用する三峰尾根からお墓が見えて気になってたけど、今回はその近くを通過。霊園になってた。多分ダムを作る時に、土地の人達のお墓を移したんだろう。その先100メートルくらいのところに休憩所があったので、そこでオニギリを食べたりして、5分くらい休憩。少し体力がリカバリーしてきたけど、スピード出して走る状況にまでは至らず。トンネルは時々ジョギングで通過した。トンネルはそうひっきりなしに車が来るわけではないし路肩になってたので、大きな不安は無かった。ただ時々やたらとスピードを出す車がいるので、道路を含めてトンネルでも気を抜けない。
三叉路が近づくと、そのままバスに乗るか、宮ヶ瀬まで行ってお風呂に入るか検討。バスの時刻などを見てと、やはり結構汗臭いので宮ヶ瀬・お風呂の作戦にした。
三叉路→宮ヶ瀬へは一旦下って、また緩やかな上り。上りの時はほとんど歩き。逆にそのせいで、歩道にきらりと光るものを見つけた。よく見たら「玉虫」。急いでカメラ取り出して撮影した。それでもじっとしてるので? 一応つまんで林の方に投げたら、飛んでった。虫も熱中症だったんだろうか。まっ良い事したので、鶴の恩返しや蜘蛛の糸のように、何かご利益あるといいな~。
宮ヶ瀬のお風呂は、以前看板とかで知ってたのでそこへ。「みはる」さん。入口がよくわからないし、人や係りの人が少ない。タオル不要などを交渉。お風呂は湯船1つだけ。基本的に観光地のホテルで、客室等の廊下はビジネスホテルみたいな感じだった。で、風呂上りは食堂でビールとお魚。でも食堂のお客は自分だけ。内心、雑踏めいたのが無くて良かったけど。バスの関係で、急いで食べ終わってバス停に向かった。(自分の場合の普段の下山後のお風呂などと比較して)多少割高なのは仕方ないのかな。次の機会あったら、もう少しゆったり過ごそうと思う。
バスで宮ヶ瀬→本厚木に向かったけど、15時過ぎ程度で、まだ日が強い。朝が結構早くて、バスやその後の電車ではちょっとお疲れモード。でも陽希さんとの併走など、良い思い出となったし貴重な1日だった。
追記:「グレートトラバース」はBSプレミアムで放送されているけど、20日が第4集「甲信越~富士山~関東の山々」にここで書いた丹沢での様子は出るかもしれない。また、その1週間前の13日に「グレートトラバース・メイキング~完全密着! 百名山一筆書き踏破の舞台裏~」が放送予定だ。22時30分から。
なお、まだBSプレミアムの「グレートトラバース」のページには書かれてないが、NHK BSの月間放送予定PDFには書かれている。興味あればどうぞ。
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