2020東京五輪での放送では、いくつか目新しい技術が使われた。その1つが、競泳でのスピード(泳速)表示で、泳者の後ろに速さが表示されるもの。
個人的には、昨年10月開催のISL・国際水泳リーグ2020(International Swimming League)の放送で目にした。その際は、時々しか目にしなかった記憶と、後述するようにスピード表示に少し違和感あって、さほど気にしなかった。というか、余りメリット感じなかった。
ところが今回の東京五輪で、女子400m個人メドレーでの大橋選手金メダル受賞があり、ライブ放送そのものでも、録画放送やビデオ録画したものの再生でも何度か目にした。4泳法それぞれでもゴール近くのスピードが表示され、各泳法でのスピードの違いが分かると気付いた。(ISLの時は、これほど決まりのようにスピード表示は行われなかったように思う。)
上が、4つのゴール近くのスピード表示の様子。写真での大橋選手のそれは以下。
バタフライ 1.45m/s
背泳ぎ 1.39m/s
平泳ぎ 1.25m/s
自由形 1.54m/s
自分たちでもそうだけど、平泳ぎが他より遅いなどがはっきりしている。放送では、前半部分でのスピードも出たように思うので、それらの違いを比較するのも良いだろう。
ただし、自由形のゴール前では1.54m/sと1.53m/sとか1.51m/sに変化した。別の選手とかの比較では、少数以下まで含めると、数値の方がおかしいように感じる時もあった。これらはISLでも感じたことだった。ただし、ISLの時よりも、勘違いかもしれないが、違和感が少なくなったように感じた。
思うに水泳は、自動車などのようにスピードほぼ一定というわけじゃなくて、微妙にスピードが変化する。平泳ぎが分りやすいだろうか。なので、スピードが微妙に変化するのは当然と思われる。逆に、その辺りをどう均して(ならして)スピードとするかが、技術革新/改善なんだろうと感じた。
あと、このスピード表示、自分のスピードと比較できるのが、結構メリット。算数の世界だけど、25m泳での時間とスピードとの関係は以下。
15秒 1.65m/s
20秒 1.25m/s
25秒 1.00m/s
30秒 0.83m/s
上での大橋選手の平泳ぎは、25mを20秒ということ。まっ、(我々?が)クロールでゼイゼイ言いながら泳ぐくらいを、4個メ平で泳いでる事を意味する。ちなみに、レースでの時間よりも、25mプールでの壁キック練習タイムの方が、瞬間的なスピード比較には適してるだろう。
今回の競泳放送では、大橋選手の200m個人メドレー決勝を含め、ゴール間際ではスピード表示してるのが多かった。各種目での表示と自分の記録とを比較する事も同様なので、録画したりしてたら確認&お試しあれ。(例:男子200mバタフライ決勝での本多灯選手の終盤は 1.62m/s)